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【改訂】マルチ・プレイヤー特集!プログレ編

プログレ系のミュージシャンの中には、楽器の巧さは勿論のこと複数の楽器を自在に演奏してしまう強者もたくさん存在しますよね。そこで今回は、プログレッシヴ・ロック・シーンより才能豊かなマルチ・プレイヤーに焦点を当てて、代表作とともにご紹介してまいりたいと思います☆

Mike Oldfield(TUBULAR BELLS)

プログレにおけるマルチ・プレイヤーの代表格と言えばこの人。10種類を超える楽器を使いこなし2400回という鬼のようなオーバーダビングを重ねほぼ単独で作り上げた金字塔「チューブラー・ベルズ」であまりに有名ですね。当時冒頭の不穏な反復フレーズだけが切り出され広く知れ渡った本作ですが、そこを過ぎると英国の田園や丘陵地帯をイメージさせる雄大な音像が広がっているんですよね~。

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Pekka Pohjola(KEESOJEN LEHTO)

フィンランドの名バンドWIGWAMに在籍し、ソロ時代には「北欧のマイク・オールドフィールド」とも言われる幻想的かつ温もり溢れる親しみやすい作風で活躍したアーティスト。マルチ・プレイヤーとしても本職のベースと各種キーボードの他、作品によってはドラムやヴァイオリンも操る多才ぶりを発揮します。本作はマイク・オールドフィールド当人のゲスト参加した77年の作品で、鬼才2人がファンタスティックに音を紡いでいくアンサンブルは実に感動的。

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Bo Hansson(SAGAN OM RINGEN[LORD OF THE RINGS])


もう一人の「北欧のマイク・オールドフィールド」がスウェーデン出身のボ・ハンソン。多種にわたるキーボード群、ギター、ベースを操り「指輪物語」を音像化した70年作が有名ですね。マイクの作風にかなり近い世界観が広がっていますが、チューブラー・ベルズに3年も先んじていた点は特筆すべきでしょう。プログレが産声を上げて間もないこの時期に、これほどの作品をほぼ独力で作り上げてしまった先見性とクリエイティビティには驚かずにいられません。

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Pepe Maina(IL CANTO DELLARPA E DEL FLAUTO)


今度は「イタリアのマイク・オールドフィールド」。ミラノ出身のマルチ・ミュージシャンで、ギター、シンセ、フルート、リコーダー、シタール、タブラ、中国の古箏などを自身で演奏した、あまりに美しいインストゥルメンタル・ミュージックを聴かせる77年作『IL CANTO DELLARPA E DEL FLAUTO』で知られます。中身とまったくミスマッチなアヴァン・ロックっぽい歯磨きジャケも印象的ですが、どうやらご本人の写真のようです。ちなみに正式な音楽教育は一切受けていないのだそう。才能と言うほかありませんね。

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Mauro Pagani(MAURO PAGANI)


ご存知、初期PFMのヴァイオリン奏者として活躍したイタリア人ミュージシャン。ワールドツアーを成功させ世界的な認知度を獲得した絶頂期PFMを脱退し、地中海沿岸の伝統音楽と真摯に向き合いながら作り上げた1stソロアルバムは、ロック×民族音楽の最良の形とすら言える怒涛の名作ぶり。アレアによるサポートのもと、マウロは、ヴァイオリン、ヴィオラ、フルート、マンドリン、ギリシャ/バルカン地方の民族楽器ブズーキを弾きこなし、美しくも耳に心地いい芳醇なエキゾチズムを醸し出します。

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GANDALF(TO ANOTHER HORIZON)

80年に第1作をリリースして以来コンスタントに良作を発表し続けている、オーストリア出身のマルチ・プレイヤーGANDALFことHeinz Strobl。シンセをはじめとするキーボード群をメインにギター、ベース、パーカッション等をこなします。80年代前半はマイク・オールドフィールドとジェネシスの中間に位置するような、という表現がピッタリ来る壮大なシンフォニック・ロックを演奏しており、80年代は~という方にもオススメ。時代が下るにつれニューエイジ色が強まるものの、シンフォニック・ロックとのバランス感覚が絶妙で、あくまで「プログレ」なのが素晴らしいところです。

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Lito Vitale(SOBRE MIEDOS, CREENCIAS Y SUOERSTICIONES)


70年代のアルゼンチンを代表するプログレ・グループの一つミアを弱冠16歳で率いた、紛れもない天才ミュージシャンが彼。キーボードが本職ですが、この81年ファーストソロではキーボード群に加えギター、ベース、ドラム、パーカッション、ヴォーカルと、バンド編成を一人で務めMIA時代に通じる叙情派シンフォニック・ロックを展開。とても20歳のミュージシャンが一人で作ったものとは思えない完成度です。

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Egberto Gismonti(FANTASIA)


言わずと知れたブラジルの巨匠音楽家ですね。ジャズ/現音の分野で活躍する方ですが、プログレファンにも支持されるシンフォニックなサウンドの作品も発表しています。すべての楽器を完全に一人でこなしたこの82年作では、ピアノ、シンセ、アコギ、パーカッション、カリンバなどに加えてチェロにフルートに管だろうと弦だろうとなんでもござれの怒涛のマルチ・プレイヤーぶりを発揮、しかもそのどれもが達人クラスの腕前というからとんでもありません。ミューズに愛された人間がいるとするなら、この方は間違いなくその一人でしょう。

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大山曜(AT THE EDGE OF THE WORLD)

初期マイク・オールドフィールドへの憧憬を感じさせるプログレ・グループは世界に数多く存在しますが、その中でも間違いなく最高峰と言うべきサウンドを奏でているのが、ソロ・プログレ・ユニットASTURIASとして活動するマルチ・プレイヤー大山曜氏。キーボード、ギター、ベースのほかにパーカッション、マンドリン、チェロなどを巧みに弾きこなし、多重録音によって緻密に織り上げられたサウンドは、初期オールドフィールドファンであれば間違いなくこれはっ!となるはず。

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Fredde Gredde(BRIGHTER SKIES)


クラシック古典やアニメソングをメドレー風につなげ全楽器&コーラスを一人で多重録音した動画シリーズによって人気に火がついた、スウェーデンの気鋭マルチ・ミュージシャンFredrik Larsson。リリースされている2枚のアルバムでも、ドラム以外の全てを自身が担当しマルチな手腕を存分に発揮しています。ずばり「一人ムーンサファリ」と呼びたい逸材!

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Chris(SNOW STORIES)


オランダにも才気溢れるマルチ・ミュージシャンがいますよ。ロッテルダム音楽院で学んだ秀才で、本作ではギター、チェロ、ヴァイオリンを除く全てを演奏していますが、本来の担当楽器はドラムという個性派マルチ奏者。こちらもムーンサファリ系統と言えるファンタスティックで温もりいっぱいのサウンドを持ち味としています。

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Tiger Moth Tales(STORY TELLERS: PART ONE)


躍動感いっぱいに各楽器が交差する演奏と魔法をかけられたかのようにファンタスティックに展開する楽曲に、尋常ではない才能を感じさせる英国の気鋭ミュージシャン。その正体は盲目の英国人マルチ・ミュージシャンPeter Jones。ギターを寝かせてスチールギターのように弾く姿からは信じられない超絶プレイが炸裂していて驚きですよね。2ndにしてこれだけの傑作をものにしている今後の活躍が大きく期待されるミュージシャンです。

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Ben Craven(GREAT AND TERRIBLE POTIONS)

オーストラリア出身のマルチ・ミュージシャンで、現時点で唯一作となるこの11年作はあのロジャー・ディーンによるアートワーク。ということでサウンドのほうはどうなのか気になるところですが、期待を裏切らない秀作に仕上がっていると言っていいでしょう。オリエンタルな香りも漂わせるギターやシンセのフレーズが織りなすスケール感いっぱいのシンフォニック・ロックは、オーストラリアの雄大な情景を思い描かせるのに十分なクオリティを示します。

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Sunrise Auranaut(FIRST COSMIC)

ロシアにもいます、注目のマルチ・ミュージシャン!憧れのバンドは、ジェネシス、イエス、EL&P、キャメル、ヒープ、エロイ、ホークウィンドという筋金入りの70’sプログレ憧憬型ミュージシャンで、それらのバンドたちを受け継ぐファンタスティックなシンフォニック・ロックをロシア出身らしいスペイシーなシンセサイザーが覆う、まさしく無限に広がる宇宙的スケールを感じさせるようなサウンドを展開しています。

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BRUNO MANSINI(GOLDEN SOUL)

最後はブラジルはサンパウロから登場した新鋭マルチ・プレイヤー。ヴォーカル、キーボード、ギター、ドラム、パーカッションを中心に演奏していますが、特筆はヴォーカル。巨体と髭面の厳ついビジュアルからは想像できない伸びのある美声で歌い出すものだから驚きます。サウンドも勿論素晴らしくて、MOON SAFARIを思わせる爽やかさとエッジの効いたモダンなヘヴィネスがハイレベルでバランスした完成度の高いメロディアス・プログレを聴かせます。

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  • MIKE OLDFIELD / TUBULAR BELLS

    弱冠20歳の若き才能が多重録音を駆使してほぼ単独で作り上げた英国プログレの金字塔的名作、73年リリース

    多重録音という言葉が既に死語となりつつある現代においてさえ強烈な存在感と圧倒的な完成度を誇るイギリスのマルチ・プレイヤーの73年デビューアルバム。契約第1号アーティストのデビュー作としてヴァージンレコードの飛躍にも多大な貢献をした大名盤であり、また、本人の意図の範疇ではないながらも映画「エクソシスト」のテーマとしても有名な作品です。そのためおどろおどろしいイメージを持たれがちですが、実際はどこまでも美しく、雄大な自然を想起させる25分、23分の大曲2曲であり、膨大な数の地道なオーバーダビングを繰り返して作られた完全無欠の音像は70年代ロック史に深く刻み込まれています。

    • 600753695036VIRGIN

      2枚組LP(レコード)、180g重量盤アナログ、アビーロード・スタジオでのハーフ・スピード・マスタリング音源、オリジナル・スタジオと2009年のマイク・オールドフィールドによるステレオ・ミックスとの2枚組

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  • MAURO PAGANI / MAURO PAGANI

    P.F.Mで活躍したヴァイオリニスト、79年作1stソロ、地中海音楽×ロックの大傑作!

    元PFMのヴァイオリン/フルート奏者。77年にPFMを脱退した後は、自身の音楽的ルーツを求め、地中海の民族音楽を探求。その成果として制作された79年作の1stソロ。イスラム文明とキリスト教文明とが幾重にも重なった地中海で育まれた地中海音楽と、ロックやジャズとを結びつけた地中海ロックの頂点に君臨する一枚。マウロは、ヴァイオリン、フルートの他、ギター、オルガン、ピアノ、ピッコロ、ブズーキ、ウード、サズを操るなど、マルチ・インストゥルメンタル奏者としての才能を見事に開花。そこに、AREAやPFMのメンバー、地中海プログレの名グループCANZONIERE DEL LAZIOのメンバーが加わり、アラビックな旋律が渦巻くエキゾチズムとロックのダイナミズムとがぶつかりあった芳醇かつ強靱なサウンドが生み出されています。特にアレアが参加したオープニング・ナンバーは、ヴァイオリンと民族弦楽器とのユニゾンによるこぶしを効かせたようにウネる旋律を軸に、強靱なジャズ・ロック・パート、CANZONIERE〜のメンバーのパーカッションが北アフリカの祝祭に紛れ込んでしまったような土着フレイヴァーを奏でるパートとを対比させながら展開するスケールの大きな名曲。PFMのメンバーが参加したクラシックとジャズと地中海音楽の豊かなフュージョンの豊かなフュージョンを聴かせる4曲目や、デメトリオ・ストラトスの超絶スキャット、マハビシュヌばりのソロの応酬が凄まじい5曲目もまた必聴。様々な時代・地域・民族が交差し溶け込んだコスモポリタン・ロックと言える傑作です!

  • TIGER MOTH TALES / STORY TELLERS: PART ONE

    初期ジェネシス、キャメル、クイーンの系譜にある英国ファンタスティック・ロック新鋭、2015年作2nd、何という才能、プログレ・ファン必聴の大傑作

    80年、英国はノッティンガムシャー生まれで、1歳の頃に病気により視力を失った盲目のマルチ・ミュージシャン&コンポーザー、Peter Jonesによるプロジェクト。4歳の時にピアノをはじめて以来、8歳の時にBBCのジュニア作曲コンテストで優勝するなど、作曲を本格的に学び、ポップ・デュオとしての活動を経て、子どもの頃から好きだったジェネシスやクイーンをはじめ、BIG BIG TRAINやFROSTなどプログレ新鋭にも強く影響を受け、プログレッシヴ・ロックを指向して生まれたプロジェクトがTIGER MOTH TALESです。2014年末にリリースされたデビュー作から半年ほどで早くも届けられた2015年作の2nd。ブライアン・メイが乗り移ったようなエモーショナルなリードから、カイパなど北欧プログレにも通ずるリリシズム溢れるリードまで、歌心に溢れたエレキ・ギターを中心に、キーボードがコロコロと愛らしいフレーズから勇壮なフレーズまで幻想的に彩り、さらに管弦楽器が透明感溢れるトーンで瑞々しく鳴り、全体としてファンタジー小説に心躍るような音世界が次々と紡がれていきます。ピーター・ガブリエルを彷彿させるヴォーカル、叙情極まる美メロもまた感動的。初期ジェネシス、キャメル、クイーン、アラン・パーソンズ・プロジェクト、カイパなどのDNAを継ぐ、ファンタスティック・ロックの正統派。アンサンブルも歌もどこまでも美しく、童心に返ったように無垢な気持ちが溢れてきます。何という才能。これはプログレ・ファン必聴、というかメロディを愛する全音楽ファン必聴と言える大傑作!

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  • PEPE MAINA / IL CANTO DELLARPA E DEL FLAUTO

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    「イタリアのマイク・オールドフィールド」の異名を取るマルチ・ミュージシャン。77年作。ギター、シンセ、ハープ、フルート、タブラ、シタールなど、すべての楽器を自ら演奏し丁寧に紡いだ、ユートピア志向溢れるエスニックなソロ作。温かみを宿した瞑想的なサウンド・メイキング、リズムとビートに重きを置いたワールド志向のアプローチ、そしてサイケデリック終焉後=ノンドラッグな作風という意味では、ジョー・ザヴィヌルのソロ作などが好きな方にも推薦です。

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  • GANDALF / TO ANOTHER HORIZON

    オーストリアのシンフォ系マルチ・ミュージシャン、82年作3rd

    オーストリア出身のマルチインストゥルメンタル奏者Heinz Stroblによるプロジェクト・バンド。82年作の3rdアルバム。重なりあって重厚に鳴り響くアナログ・シンセの神秘的かつ深淵なる響きと、キャメルやジェネシスからの影響を感じるロック的なダイナミズムとが絶妙に組み合わさったスケールの大きなシンフォニック・ロックが特徴。Heinz Stroblはキーボードだけでなく、ギターも達者で、ここぞではスティーヴ・ハケットばりの繊細かつドラマティックなリード・ギターを聴かせます。アコースティック・ギターやフルートによる幻想美も出色。マイク・オールドフィールドとジェネシスの中間に位置するようなサウンドはシンフォニック・ロックのファンはたまらないでしょう。80年代の作品ですが、サウンドの質感は実に70年代的。インストゥルメンタル・シンフォニック・ロックの名作です。

  • BRUNO MANSINI / GOLDEN SOUL

    美声のハイ・トーン・ヴォーカルと透明感ある美メロが突き刺さるブラジル産シンフォニック・ロック、ずばり名作と言える2016年3rd

    ブラジルはサンパウロ出身のコンポーザー&マルチ・インストゥルメンタル奏者。2016年作3rd。ギタリスト一人が全面的に参加している他は、すべてBruno自身で演奏されています。モダンなヘヴィネスを持ったの硬質なトーンのリズム・セクションを土台に、華やかなトーンのキーボードが光彩を放つように広がっていくヌケのいいアンサンブルが実に素晴らしい!トライバルとでも言えるような、ドラムがリズミックに乱れ打つところや、ムーグ・シンセによる天へと駆け上るようなリードなど、めくるめく躍動感溢れるアレンジに心躍ります。ジョン・アンダーソンとムーン・サファリのKey奏者/VoのSimon Akessonの中間に位置づけられるようなハイ・トーンのヴォーカル、キャッチーで心に突き刺さってくるメロディ・ラインも特筆。これは名作!

  • SUNRISE AURANAUT / FIRST COSMIC

    ロシア出身のマルチ・ミュージシャンによる15年作3rd、多彩なキーボードが幾重にも折り重なり紡がれるシンフォニック・ロックの逸品

    70年代へのオマージュに溢れたロシアのマルチ・インストゥルメンタル奏者、2015年作3rd。キーボード、アコギ、エレキ・ギターにより紡がれるメロディが次々に折り重なり、ストーリーを描くようなシンフォニック・インスト・ロックが持ち味。キーボードは、多彩なトーンが魅力で、木漏れ日のように穏やかでドリーミーな音色を中心に、ちょっと外したトーンの素っ頓狂な音色、旧ソ連時代のバンドを彷彿させるスペーシーかつ荘厳な音色、クラシカルな格調高さのある音色を駆使しながらサウンド・スケープを描いていきます。アコギのリードもまた、ファンタスティックなフレーズを基調に、どこかスラヴ的なエキゾチズムを織り交ぜているのが印象的。エレキ・ギターも魅力的で、繊細なタッチで流麗に紡がれるロング・トーンのリードを軸に、ここぞでは、奥まったところでコンコンと鳴っているようなヘヴィなギターを炸裂させ、ロシアならではの深淵をのぞかせます。影響を受けたバンドとして、ジェネシス、イエス、EL&P、キャメル、ユーライア・ヒープ、エロイ、ホークウィンドを上げていますが、なるほどシンフォニック・ロックをベースに、サイケデリックな色彩感を織り交ぜたサウンドには確かに70年代の名バンド達のDNAが息づいています。プログレ愛に満ちた好作品です。

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