2016年2月23日 | カテゴリー:世界のロック探求ナビ,日々是ロック
タグ: 日々是ロック
こんにちは、カケレコ店長の田中です。
日曜日には、秩父で開催されたウイスキー祭りに行ってきました。ウイスキーは好きなものの、銘柄や産地などはあまり分からず、詳しい方からレクチャーを受けながら試飲を楽しんできました。
ボウモアというウイスキーが好きなのですが、それがアイラ島という島で蒸留され、その島のウイスキーは同じような特徴があることをはじめて知りました。
その土地、その土地の歴史や風土が醸す味わい。ユーロ・ロックの味わい方とも通じていて、ロマンがあるなぁ、とあらためてウイスキーが好きになりました。
さてさて、最近入荷したCD、売れたCDの中から店長オススメの作品をピックアップするこちらのコーナー「日々是ロック」。
まずは新入荷した新譜からご紹介いたします。
カンタベリー・ミュージックとポスト・ロックとが出会った美麗なアンサンブルは最高だし、ヴォーカル&メロディはプログレというよりギター・ポップと言えるほどに胸キュンだし、「メロディ」への愛情が溢れまくり!
今や00年代以降屈指と言える英国プログレへと成長したバンドによる、2010年のデビュー作の前にデジタル配信のみで公開していた06年作『Songs For Days』全15曲をはじめ、シングルのリミックス音源、未発表曲、セッション音源をCD2枚に収めた編集盤。
ギターとシンセが融合したような自作楽器「LEODE」が彩るモダンかつトラディショナルな耽美的フレンチ・シンフォ新鋭。
デジタリーでいて温もりにも溢れていて、これはずばり傑作!
新規リイシュー盤を3枚、セレクトいたしましょう。
1stと並んで英サイケ・ハードの名盤ですね!
ホークウィンドで活躍する名手Simon Houseのヴァイオリンと超絶ギタリストTony Hillのファズギターが火花を散らす、緊張感たっぷりのアンサンブルが聴きモノ。
これはグレッグ・レイクのソロというより、もうグレッグ・レイク&ゲイリー・ムーアのデュオという言うべきですね。ゲイリーのギターが炸裂しまくり!
言わずとしれたKING CRIMSON~EL&Pで活躍した名ヴォーカル&ベース奏者。
81年作の1stソロ『GREG LAKE』と83年作の2ndソロ『MANOEUVRES』をカップリングした2枚組。
荘厳なハモンド、熱情的なヴォーカル、混声女性コーラス、哀愁溢れるメロディアスなギター。
ポーランドを代表するロック・ミュージシャンによる渾身のライヴ・アルバム。
アコギやピアノが生む朝もやのような神秘性。
そこに添えられるフルートやギターによる初期ジェネシス的幻想美。
ヴォーカルは、美声の女性。
スペインのベテラン新鋭による美麗なる2015年作。
『ウォール』期のピンク・フロイドを静謐でエレガントにした感じ。
なんと、仏タイ・フォンのドラマーによるソロ作っ!
漆黒の森が目に浮かぶような幻想性と宗教的な荘厳さ。
メロトロンやハモンドが重厚に鳴るジャーマン・シンフォ新鋭、堂々の2015年デビュー作。
ベーシストの憧れはクリス・スクワイアのようで、狂ったように暴れるゴリゴリ・ベースのテンションが凄い!
チェンバー・ロック的テンションあるパートと静謐なパートとの落差も凄いし、この米新鋭、強烈!
スコッチ・ウイスキーの話題ではじめたので、ラストはスコットランドのバンドをピックアップいたしましょう。
無名なのが信じられないほどハイ・クオリティ!
牧歌的で優美で、時にファズ・ギターも炸裂しちゃったり、とにかく愛すべき英フォーク・ロックなのです!
いかがでしたか?
みなさまにとってぴったりの一枚が見つかれば幸いです。
またお会いいたしましょう。
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ギタリストのトニー・ヒルと後にホークウィンドで活躍するヴァイオリン奏者サイモン・ハウス等で結成された英国ヘヴィ・サイケ/プログレ・グループ。70年作の2nd。サイケデリックではありますが、混沌としたヘヴィさはなく、個人的には「フェアポート・コンヴェンションのリチャード・トンプソンをドラッグまみれにしたら?」というコピーが頭に浮かぶような、トラディショナルな品の良さも感じさせるギター、そして、「心ここにあらず」な、いかにもサイケなヴァイオリン、PATTOあたりを彷彿させるドライヴ感あるグルーヴィーなリズム隊、そして、ドアーズを彷彿させる陶酔的なヴォーカル。音が渦巻くサイケデリックな音像の中に、確かに英国ならではの陰影と気品が閉じこめられた、英国ならではと言えるヘヴィ・サイケの快作です。
98年に結成されたフレンチ・モダン・プログレ・グループ、2016年作7th。2014年の前作『Tant que L’herbe est Grasse』にて「孤高」と言える美麗なサウンドを完成させましたが、ずばりその前作の延長線上にある透明感とリリシズムみなぎる傑作。おそらく誰が聴いても最初は女性だと思うであろう中性的なハイ・トーンのヴォーカル、フランスらしい美意識に溢れたメロディ。艷やかでいて深みもあるトーンのピアノ、まるでデイヴ・ギルモアのように空間に広がりを生むエレキ・ギター、そして、このグルーヴならではと言える自作の楽器「LEODE」の響き。バイク事故でギターの演奏が困難になったメンバーのClaude Leonettiが自作した楽器で、トニー・レヴィンでおなじみのスティック・ベースのようなルックスで、ギターとシンセが混ぜ合わさったような、デジタリーでいて温もりにも満ちた持続音が印象的です。ヘヴィなギターが空高く突き抜けるように鳴り響き、一気に光が溢れるように「静」から「動」へとスイッチする瞬間の気持ち良さや、管弦楽器によるアーティスティックな感性なども特筆。これはずばり傑作です。
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