2015年8月14日 | カテゴリー:そしてロックで泣け! 舩曳将仁,ライターコラム
タグ: プログレ
ロック好きの友だちと飲みに行ったら、どうやらご立腹の様子。
「なんやねん! 最近の日本のバンドは! バンド名がなってないねん!」と友。
「いや、でもね、外道や頭脳警察だって、当時はかなりギョッとする名前だったと思うよ。それから40年経って、インパクトのある名前を追求してくれば、色んなのが出てきてもいいんじゃないの?」と僕。
「いや、俺はね、ロック・バンドの名前はかっこよくあって欲しいんだよ!ディープ・パープルとか、ホワイトスネイクとかさ!」
と、話はそこで終わったんだけど、改めて思うに、ディープ・パープルって「深紫」だし、ホワイトスネイクの「白蛇」も、カッコイイかと言われたら微妙じゃない? イエスなんか返事だからね。バンド名が返事ってどうよ? キャメル=らくだ、エッグ=卵、イフ=もしも……とかも、すごいセンスだよ!
国名や都市名をバンド名にしているアメリカ、UK、エイジア、カンサス、ボストンなんかも、日本でいえば、大阪、静岡、中部地方とか、そういうことだからね。自然系のマウンテン=山、スカイ=空、レインボー=虹なんかも、どうだろうね?
という流れで、今回紹介したいのがレイク。なんと池です。アメリカの若手バンドにも同名のがいるけど、こちらはドイツのバンド。
レイクがドイツで結成されたのは1973年。元々はカヴァー・バンドとしてスタートしたが、スコットランド出身のシンガー兼ベーシストのイアン・キュシックとジェフリー・ピーチーという二人のイギリス人を加え、レイクとしての活動を開始。シングルでデビューを飾るが、ソロ活動のためにイアンが脱退してしまう。
スコットランド出身のシンガー、ジェイムズ・ホプキンス・ハリソンが加わり、1976年にデビュー・アルバム『レイク』を発表する。バンド名とアルバム名が「池」っていうのは、やっぱりどうかと思うけど、内容はとっても洗練されたポップ・ロック。「タイム・ボム」なんて、あまりにも軽やかかつ爽やかで、ドイツのバンドなんて思えないほど。同曲はアメリカで独自にシングル・カットされている。
他の曲も、それこそニューヨーク辺りの、おしゃれな都会派といえる曲調で、僕も最初に聞いた時はアメリカのバンドだと思った。他にも軽快なロック・ナンバーからジャズ・タッチの曲まで、実に器用な音楽センスを見せつけている充実作だ。
『レイク』はプログレッシヴ・ロックと紹介されることもあるが、その先入観で聴き始めると軽すぎと感じるかも。おそらく「ジーザス・ケイム・ダウン」という曲の印象なのだろう。ヨーロッパ的な陰影を感じさせるキーボードや適度に泣くギター、ドラマ性豊かなメロディを持った曲で、こちらはカケレコ・ユーザーもビビッとくると思うので、ちょっと聴いていただきましょう。
さて、泣ける曲を紹介するのがテーマの当連載で紹介したいのは、同じく『レイク』に収録された「ドゥ・アイ・ラヴ・ユー」だ。
柔らかなピアノのイントロに導かれる上品なオープニング。そして「僕の愛は山」とか、「海の風が君の髪をなでる」とか、さすがにレイクというバンド名だけに(?)、愛を美しい自然に例えて詩的に表現している。
と思いきや、急に物悲しい響きに転じて、「ノー、ノー、ノー!」と厳しい感じ。そして、サビで自問自答する。
「僕は君をせいいっぱい愛しているだろうか? 君の触れ合いがなく生きていけるだろうか? 僕が君について感じている、この感じ方は正しいのだろうか? 君にとって僕は意味のある存在だろうか? 君も僕と同じように感じてくれているんだろうか。僕は何度も何度も自問する。君を愛さなくては、愛さなくては、愛さなくては、と」
愛は素晴らしい、愛がすべて、そんな風にみんな歌うけど、人を確かに愛することができるかといわれると、なかなか難しい。誕生日にケーキを買うとか、いつも「ありがとう」を言うとか、なんだかんだ愛の表現方法はあるけれど、相手がそれで「愛されている」と感じているかどうかなんてわからないわけで。それも付き合いが長くなってくると慣れちゃって、「ちゃんと愛さなくては!」なんてことすら、考えなくなってしまう。いや、僕のことじゃなくて、一般論として!
だから「ドゥ・アイ・ラヴ・ユー」の主人公はマジメなんだろうな。相手を確かに愛せているだろうか……なんて自問自答するというのは、なかなかイイ奴だと思うわけです。
そうありたいよね、と、そんな気分で聴くと、軽いタッチのラヴ・バラード「ドゥ・アイ・ラヴ・ユー」もグッと胸に染みてくる。だから、たまに思い出したように聴きたくなる。
同曲が収録されたデビュー・アルバム『レイク』は、欧州盤と米国盤でジャケットが異なる。欧州盤は、いかにもAORというセンスがレイクというバンド名以上に微妙だが、米国盤は僕のようなネコ好きに嬉しいデザインとなっている。
以降も質の高いポップ・ロック作を発表。80年代中ごろに解散したが、2000年代に再結成して、本国ドイツで活動中なんだけど、日本での知名度は低い。『レイク』も日本ではまだ未CD化だったはず。輸入盤では同曲を収録したベスト盤などもあるので、ぜひチェックしてみてほしい。
それでは来月も、ロックで泣け!
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