2014年9月10日 | カテゴリー:世界のロック探求ナビ,日々是ロック
タグ: プログレ
カケレコ店長の日々是ロック。お客様が未だ見ぬジャンルや国へと誘うべく、世界のロックを今日もカケハしてまいりましょう。
この記事をきっかけに、今まで気にもとめなかった作品に興味を持ってもらえれば嬉しいです。
それでは、早速、まいりましょう!まずは、ハンガリーから!
プログレで3兄弟と言えばジェントル・ジャイアントですが、ハンガリーにも3兄弟プログレ・バンドが居たんです。
翳りのあるメランコリックなキーボードを中心に、弦楽器が彩る東欧プログレの傑作!
お次はバルカン半島へと南下して、旧ユーゴ(現セルビア)のバンドをピックアップ!
70年代初期の旧ユーゴにもこんなにも痺れるハード・ロック・バンドが居たとは・・・。
サバスばりのヘヴィネスあり、ツェッペリンばりのスピード感あり、フロイドばりのメロウネスもあったり、これは良いバンドです。
同じ旧ユーゴ内を北西にのぼっていって、現スロヴェニアのバンドをピックアップ。
スロヴェニアは、神聖ローマ帝国やオーストリア=ハンガリー帝国の領土となっていたことから、西洋的な香りが強いのが特徴です。
現スロヴェニアの首都リュブリャナ出身の旧ユーゴ屈指のジャズ/フュージョン・ロック・バンド。
アドリア海にほど近い土地柄か、地中海フレイヴァーとエキゾチズムが香るサウンドが魅力!
スロバキアを後に、ぐっと北上し、チェコへ!
南部の工業都市、ブルノ出身のバンドをピックアップいたしましょう。
変拍子を多用して嵐のごとくヘヴィに畳みかける展開は、伊ヘヴィ・シンフォのファンも痺れること間違いなし。東欧はチェコが誇るプログレ名作!
チェコと言えば、この新鋭グループはなかなかおすすめですよ~。
チェコ第三の都市オストラヴァで05年に結成されたグループ。イエスのDNAとともに、70年代の東欧プログレのエッセンスも取り入れたヴィンテージ・プログレを展開する00年代東欧プログレ注目作!
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ハイ・トーンのヴォーカルとヌケの良いコーラス・ワーク、そして、突き抜けるように躍動感いっぱいのアンサンブル。そんなイエスのDNAを継ぐ00年代以降の世界各国のプログレ作品をセレクト!
東欧つながりでポーランドへ!東欧らしい翳りあるメランコリーを持つグループが00年代以降続々と出てきていますね。その中でも人気のバンドがこちら。
ポーランドの叙情派シンフォ・グループ。07年作。
幻想的に立ち込めるシンセが聴き手を別世界へといざなう・・。
ジャケ通りのファンタジーを描き出す壮麗なるメロディアス・シンフォ。
一気にバルト海を渡って、ノルウェーへ!
これでもかと溢れ出すメロトロン、宇宙の深遠を描くシンセ・・・。ドラムは初期クリムゾンを彷彿させるし、リッケンバッカーはゴリゴリしてるし、歌はグレッグ・レイクに似てるし、でも、アンサンブルがバタバタとしてて、さすがはノルウェーB級シンフォ秘宝・・・。
北欧をフィンランドへといきまして、変わり種を一枚紹介。
フィンランド・ジャズ・シーンの名手達による覆面グループなのですが、ハートフルで純粋無垢でへんちくりんで郷愁たっぷりなサイケ・フォークの愛すべき名品!
それにしても、ヘナヘナと声が裏返りまくで、もうギャグとしか思えない酔いどれっぷり☆
ラストはスペイン!
スペインといえばフラメンコのイメージが強いですが、地中海沿岸のバルセロナのロックは、フラメンコの要素はなく、洗練されたジャジーな作品が多くおすすめですよ~。
そのバルセロナ・ロック・シーンの源流と言えるのがこのバンド。カンタベリーで言えば、ソフト・マシーンにあたるグループですね。
初期ニュークリアスに比肩するスペイン・ロック黎明期を代表するグループによる傑作デビュー作!ロワッサンに懐中時計がはまったジャケデザインは、当時のフランコ独裁体制への批判。
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いかがでしたか?
みなさまにとって、ぴったりの一枚が見つかれば幸いです。
ポーランドの叙情派シンフォ・グループ。07年作。荘厳なキーボード、鍵盤の上を軽やかに舞うクラシカルなピアノ、ロング・トーンのエモーショナルなギター、伸びのある歌声のふくよかなヴォーカルが印象的。アコースティックかつ瑞々しいタッチのファンタスティックなアンサンブルを基本に、シャープで硬質なドラムやメタリックなギター・リフなどの現代的なヘヴィネスを加えた、「静」と「動」の振幅激しいドラマティックなシンフォニック・ロック。
72年に結成された旧ユーゴは現セルビアのベオグラード出身のハード・ロック・トリオ。旧ユーゴ最初期のハード・ロック作品と言われる73年に国営レコード会社のPGP-RTSよりリリースされたデビュー作。左CHでエネルギッシュにかきむしられるリズムギター、右CHで爆音を轟かせてアグレッシヴに疾走するベース、中央でシャープなリズムを刻むドラム、そして気だるいヴォーカル。ソリッド&ハード・エッジなパートから一転、エコーに包まれサイケデリックなコーラスパートへと切り替わったと思うと、またもや突如ギターがキレのある早弾きで突っ走る!オープニング・ナンバーからこれは痺れます。ハードなナンバーだけでなく、アコギアルペジオに夢想的なヴォーカルが乗るピンク・フロイドばりに幻想的なナンバーも魅力的。サバスやツェッペリンのファンはもちろん、サイケ・ハードのファンにもオススメの好グループです。
旧チェコ・スロヴァキアのグループ、80年作の1stアルバム。タイトで手数の多いドラムに、マイナー調のダークなギター、陰影を帯びた荘厳なキーボードをフィーチャーしたヘヴィ・シンフォ。変拍子を多用して嵐のごとくヘヴィに畳みかける展開には、イタリアン・プログレのファンもしびれること間違いなし。東欧らしいメランコリックな哀愁を帯びたヴォーカルも素晴らしいです。ゴリゴリと突き進むへヴィなパートと豊かな陰影を生かした繊細なパートとの鮮やかな対比がたまらない逸品です。
旧ユーゴのイタリアにほど近いリュブリャナ(現スロヴェニアの首都)で75年に結成されたプログレ・グループ。サックス奏者、Key奏者を含む5人組。77年のデビュー作。ZOMBIESを思い出すメロウなR&BフレイヴァーからRETURN TO FOREVER的たおやかなフュージョン・フレイヴァーまで彩り豊かなエレピ、ロック的なエッジとフュージョン・タッチの流麗さとが同居したスリリングなギター、バタバタとファンキーなノリのリズム隊。アドリア海に近く、東西文化が混濁したリュブリャナという土地柄か、地中海フレイヴァーやエキゾチズムが香るサウンドが印象的です。旧ユーゴ屈指のジャズ/フュージョン・ロック名作!
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