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NOVEMBER『En Ny Tid Ar Har…』 – ユーロ・ロック周遊日記

ユーロロックの名盤をピックアップしてご紹介する「ユーロロック周遊日記」。

本日は、北欧スウェーデンを代表するハード・ロック・バンドNOVEMBERが70年にリリースしたデビュー作『En Ny Tid Ar Har…』をピックアップいたしましょう。

NOVEMBERは、スウェーデン初のハード・ロック・バンドで、スウェーデンのハード・ロック~ヘヴィ・メタルのシーンの礎を築いたと高く評価され、英国でも人気があった名グループ。

不動のメンバーは、

リヒャルト・ロルフ(Richard Rolf ギター)
クリステル・スタルブラント(Christer Stalbrandt ベース/Vo)
ビョルン・インゲ(Bjorn Inge ドラム/Vo)

のトリオで、スウェーデンの首都ストックホルムにて1969年に結成されました。

クリステル(b/vo)とビョルン(dr/vo)が、英国人ギタリストのスノーウィ・ホワイト(後にシン・リジィに参加したり、ピンク・フロイドのサポートとして活躍)と組んでいたバンドTRAINが前身。スノーウィが母国イギリスに帰国し、代わりにリヒャルト(g)が加わったことでトリオが揃いました。

バンド名はなかなか決まりませんでしたが、69年11月(November)、イェーテボリで行われたピーター・グリーンズ・フリートウッド・マックのスウェーデン公演のサポートアクトとして呼ばれたことを機に、その後は「NOVEMBER」として活動します。

そして大手SONETと契約し、70年にリリースしたデビュー作が『En Ny Tid Ar Har…』。

時に引きずるように重くタイトで、時に細かい手数で疾走する表情豊かでテクニック抜群のドラマー、ビョルン・インゲ。ぶっといトーンでボトムを支えるとともに作曲にヴォーカルにバンドの要を担う、スウェーデンのジャック・ブルースと言えるベーシスト、クリステル・スタルブラント。そして、なんと言っても素晴らしいのが、クリーム時代のエリック・クラプトン直系のタメの効いたブルージーでキレのあるフレーズが魅力の若干18歳の若きギタリスト、リヒャルト・ロルフ。

シングル・カットもされたオープニング・ナンバー「Mount Everest」から、北欧屈指のトリオによるソリッド&ブルージーなハード・ロックに痺れます。

T1: Mount Everest

英ハードの名グループたちにも負けない重量級のアンサンブルととともに、それと対照を成す、フルートをフィーチャーした北欧らしい神秘性もまた印象的。

ちょっぴりハイ寄りで、シャウトの中にも透明感を感じさせるヴォーカルとともに、北欧の幻想の森のイメージが頭に浮かび上がってきます。

このあたりのファンタスティックなセンスが、英米ハード・ロックにはない北欧ハードならではの魅力でしょう。

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T2: En Annan Varld

このバンドの土台にあるのはクリーム直系のブルース・ハードだと思いますが、レッド・ツェッペリンやブラック・サバスや『イン・ロック』期のディープ・パープルなど同時代の英ハードともリンクしたエッジの立ったスリリングなハード・ロックも持ち味。

まるでシタールのような響きの印象的なリフをテーマに楽曲は進行していきますが、ドラムが前のめりに叩きまくるスリリングなキメを合図に、サバスばりのなぎ倒すようなヘヴィ・ブギへとスイッチします。ギターソロは、リッチー・ブラックモアやトニー・アイオミばりのキレ味。そして、またまたドラムのキメととともに、イントロのオリエンタル風味のリフへと帰結していきます。

自由自在な展開の妙。トリオそれぞれの卓越したセンスとテクニックが光るNOVEMBERらしい名曲!

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T3: Lek att du ar Barn igen

まるでキング・クリムゾンの「風に語りて」のようなジャジーなドラムとスピリチュアルなフルートのイントロ。そこからツェッペリンを意識したハードなキメをはさみ、幻想的なヴォーカル・パートへ。

スウェーデン語の独特の語感と包み込むように優美な歌声には北欧ロックならでのファンタスティックなエッセンスがたっぷり。

ギターソロはジャズの素養も聴かせるし、10代にしてこの円熟の演奏を聴かせるこのギタリスト、やはりただものではありません!

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クリーム、レッド・ツェッペリン、ブラック・サバス、ディープ・パープルなどブリティッシュ・ハードからの影響を土台にしつつ、スウェーデン語のヴォーカル&メロディやフルートをフィーチャーしたアレンジからにじみ出てくる北欧ファンタジーの柔らかでおぼろげな色彩。

スピーカーの音量を上げると、部屋が揺れるほどに演奏の重量感はたっぷりなのに、全体の印象としてはどこかふくよかでファンタスティック。

ハードさの中に自然と滲み出てくる北欧ならではの幻想美こそNOVEMBERの魅力であり、北欧ハードの魅力と言えるでしょう。

なお、NOVEMBERは、3枚のオリジナル・アルバムを残して72年に解散しますが、ベース/Voのクリステル・スタルブラントとドラム/Voのビョルン・インゲはそれぞれバンドを結成し、北欧プログレの名作を残します。再発されていますので、そちらもあわせてチェック是非!

クリステル・スタルブラント(b/vo)率いるSAGA

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ビョルン・インゲ(dr)率いるENERGY

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