2014年7月2日 | カテゴリー:カケレコ情報,世界のロック探求ナビ
こんにちは、カケレコ店長の田中です。
6月の月間ベストセラーの集計ができましたので、20位までを発表いたしましょう!
関連する探求記事へのリンクも載せましたので、気になる作品から他の作品と探求が広がれば幸いです。
どうぞ試聴しながら、お楽しみください!
TOP3は、BBC音源集が独占!最近、TOP GEAR、ON THE AIRという2つのレーベルから続々と70年代当時の貴重なBBC音源がリリースされております。
その中でも入荷後即売り切れとなったのがこちら!
そりゃ『ナーサリー・クライム』『フォックストロット』期のBBC音源ときたらたまりませんよね!
2位もBBC音源で、こちらはアンソニー・フィリップス在籍期とスティーヴ・ハケット加入直後の初期ジェネシスを捉えた貴重なBBC音源集!
こちらもジェネシス・ファンはたまりませんね!
『The Least We Can Do~』『H To He~』『Pawn Hearts』の黄金期のBBC音源集!
こちらも英プログレファンはマストですね!
ここ数ヶ月の70年代作品のリイシュー盤の中で一番人気なのがこちら!
スージー・クアトロのお兄さんって、こんなにも素晴らしいキーボード奏者だったのか。この75年作は、トレース『鳥人王国』あたりと並び称されるべきクラシカルなキーボード・プログレ逸品ですよ!
人気の韓国BIG PINKレーベルからのリイシュー盤も5位にランクイン!
ドン・ヘンリーがイーグルス以前に在籍していたバンドと言えば?イーグルスへと通じる叙情性とともに、無骨なルーツ・フレイヴァーがたまらないグッとくる佳曲ぞろいで、ルーツ・ロックのファンは必聴ですよ~。
プログレ新鋭部門で大人気なのがこちらの作品。
ずばり、ブラジルからのMOON SAFARIへの回答!
透明感あるヴォーカルと美しいメロディ、そしてムーグとギターによるめくるめくドラマティックなアンサンブル。激レコメンドですよ~。
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イタリアが誇るFabio Zuffantiや今カケレコで大人気のオランダのChrisをはじめ、世界各国からマルチ・コンポーザーによる良質な作品が続々と届けられています。注目の作品をピックアップいたしましょう。
イタリアはサルディニア島出身で、GRUPPO 2001のリーダー(Key&Vo)で知られるPiero SalisがPIERSALIS名義でリリースした74年作ソロ作が待望のリイシュー。
イ・プーやリッカルド・フォッリの名曲に比肩する叙情美。彼らの「愛」を「郷愁」に変えたような愛すべき名作です。
これは素晴らしい!
最近、続々とリイシューされている旧ユーゴ産プログレ。
その中でも人気の作品がこちら!
こ、この1曲目、ずばり旧ユーゴからのフランスATOLLへの回答!
シャープなリズム隊、壮麗なキーボード、音響センス抜群なギター、そして、スロヴェニア語のセンチメンタル&ドラマティックなヴォーカル。
ジャケは残念ですが、サウンドはグレイト!
ヴァイオリン奏者を含む初期P.F.M.と同じ編成で70年代から活動を続け、92年にデビューし、来日公演も果たしているイタリアのシンフォニック・ロック・バンド。
2012年に行われたライヴ盤が登場!
スティーヴ・ハケット直系の繊細でリリカルなギター、ロマンティックな叙情が香るヴァイオリン、そして、幻想的なシンセ&ピアノ。
クエラ・ベッキア・ロッカンダやロッカンダ・デッレ・ファーテに通じる、変わらぬクラシカルな美旋律シンフォニック・ロックに心躍ります。
新鋭プログレ・バンドによる2014年新譜の中でも屈指と言える一枚。
EL&Pをモダンなヘヴィネスでアップデートしたような重厚極まる「動」のパートと、対照的にエニドばりにクラシカルでロマンティックな「静」のパートの鮮やかな対比。
ロシアからは続々と注目のバンドが出てきていますが、さすがはその筆頭格バンド、渾身といえる大傑作です。
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あのチャイコフスキーも輩出したサンクトペテルブルク音楽院出身で、作曲家/Key奏者のGennady Ilyinにより94年に結成された、90年代以降のロシア・プログレを牽引するグループ、LITTLE TRAGEDIESを特集!
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LITTLE TRAGEDIESとLOST WORLDを双頭に、豊かなクラシック音楽の土壌に根ざしたダイナミックかつ格調高いプログレ・グループが続々と登場しているロシアのプログレ新鋭シーンを特集!
ロングセラーを続けている2013年作の新譜。
これでもかと溢れる美旋律と美声、そして70年代の名作たちと変わらぬ甘美なファンタジー。
10月には待望の来日公演も行われますね!
先にリイシューされたカナディアン・スワンプの名作として名高い73年作2nd『PEMMICAN STASH』も人気でしたが、そこからAOR的に洗練された75年作3rdの本作もよく売れています。
ルーツ・ロックからAORへと向かった、FOOLS GOLDなど米ウェストコーストのバンドが好きなら是非!
人気の発掘ライヴ盤。
1st『閃光のラッシュ』と2nd『夜間飛行』の間の時期で、エッジの立ったスピーディーなギター・リフとハイ・トーンのシャフトが炸裂するツェッペリン・スタイルの鋭角なハード・ロックで畳みかける初期ラッシュならではのエネルギッシュな好ライヴです。
71年の1st『Air Conditioning』から72年の3rd『Phantasmagoria』にかけての時期で、ダリル・ウェイなどオリジナル・メンバーのエネルギッシュな演奏が堪能できる好ライヴ。
ソーニャによるスタジオ盤以上の熱いシャウトは必聴!
1st~2nd期のピンク・フロイドのBBC音源集!
シド・バレット在籍時の音源を14曲、シドが抜けてデイヴ・ギルモアが加入してからの音源を10曲収録した全24曲!
南米ペルーを代表するプログレ新鋭グループによる14年作6thアルバムが登場!
スピード感とダイナミズムみなぎるヘヴィ・メタリックなドラムとギター、それと対照的にフォルクローレ色たっぷりのフルートとリコーダー。
ヘヴィネスとアンデス・フレイバーが見事に調和した傑作に仕上がってますよ~。
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90年代以降にプログレ新鋭シーンが盛り上がり、00年代に入っても注目の作品が続々とリリースされています。その勢い衰えず、次々と優れたプログレ新譜が届く2014年。入荷した注目作をピックアップいたしましょう。
あのボズ・スキャッグスが放浪中のストックホルムの地で録音し、65年にリリースされたデビュー作!
バスキングでたたき上げた、若きボズの弾き語り&ブルースハープが刻まれた伝説の逸品です。
米ブラス・ロックの雄、シカゴが、2ndアルバム後の70年7月21日にマサチューセッツはタングルウッドで行った公演を収めたライヴ盤。
ブラス・ロック・ムーヴメント絶頂時と言えるライヴで、ロック的ダイナミズムに溢れたタイトなバンドアンサンブルを土台にブラス隊がエネルギッシュに躍動する演奏は、本当に凄まじい熱気。
シド・バレットが抜け、デイヴ・ギルモアが加入してからの4人編成での69年のラジオ放送音源をまとめた編集盤。
マッスル・ショールズにDan Pennが居るなら、ナッシュビルにはこの男が居るさ!DIXIE FLYERSをバックに、72年に録音された唯一のソロ作、染みるなぁ。
カケレコで今一番ホットな作品20枚とともに、関連する特集記事をご紹介してまいりました。
みなさまにとって、今まで思いもしなかったジャンルへの扉が開いたのなら嬉しいです。
20位以降も含む2014年6月のベストセラーランキングはこちら!
本格的な音楽教育を受け、交響曲も書けるほどにクラシックに精通したKey奏者&コンポーザーのGennady Ilyinを中心に、ロシア南西部のウクライナ国境に近い町クルスクで結成された新鋭プログレ・グループ。2014年リリースの恐らく9枚目。エネルギッシュかつ流麗に鳴らされるムーグのリード、そこに時にユニゾンで超絶的に合わせ、時に単独で鳴り響くハモンド。オープニングから躍動するヴィンテージ・キーボードのスリリングな演奏に言葉を失います。タイトかつアグレッシヴなリズム隊とエッジの立ったギターのリフによるロック的ダイナミズムも印象的で、EL&Pをモダンなヘヴィネスでアップデートしたような重厚極まるキーボード・プログレを基調に、クラシック直系の華麗なキメのパートを挟みつつ、これでもかとドラマティックに展開していきます。一転して、音が瑞々しく響く格調高いピアノによる静謐なパート、管楽器が豊かに鳴るロマンティシズム溢れるパートも絶品ですし、ロシア語によるエモーショナルかつ演劇的なヴォーカルか醸すもの悲しさも特筆。「静」と「動」の鮮烈な対比。LOST WORLDと並ぶ現代ロシア・プログレ屈指のグループによる渾身の大傑作です。
ブラジルはサンパウロ出身のコンポーザー&マルチ・インストゥルメンタル奏者。2013年デビュー作。煌びやかなトーンで荘厳に鳴り響くキーボードとたおやかなアコギによるバッキング、その上で流麗なメロディを紡ぐムーグ・シンセ、精緻なタッチで伸びやかなメロディを奏でるギター、心にスッと入り込む透明感あるヴォーカルと豊かなコーラス・ワーク、美しくキャッチーなメロディ・ライン。オープニング・ナンバーを聴いて、ムーン・サファリが頭に浮かびました。ムーン・サファリのKey奏者/VoのSimon Akessonに曲調・声質ともによく似ている気がします。クイーンばりのコーラス・ワークから、ムーグとエレキがめくるめくメロディアスなリードを交換しあう間奏部分のドラマティックさも特筆。イエスの明快さとジェネシスの叙情美とがあわさったようなサウンドは往年のプログレ・ファンは歓喜すること間違いなしでしょう。2曲目もまた、瑞々しいアコギの爪弾きに、艶やかな音色のストリングスとピアノが入るイマジネーション豊かなイントロも良いし、そこから、タイトなリズムが入り、ムーグとギターがのびのびとリードを奏でるダイナミックなパートへとスイッチする展開も心躍るし、これは素晴らしいです。イエスやジェネシスのファンはもちろん、ムーン・サファリのファンは必聴と言える驚きの快作!
旧ユーゴのイタリアにほど近いリュブリャナ(現スロヴェニアの首都)出身のプログレ・グループ。78年の唯一作。ジャケの印象では、どんなに恐ろしいハード・ロックやヘヴィ・サイケが聴こえてくるかと思いますが、実際のサウンドは、シンフォニック&ジャジーなプログレ・ハード!明るいトーンで広がる壮麗なキーボード、音響的なセンス抜群のアルペジオからファンキーなカッティング、ブルージー&メロディアスなソロまで表現力豊かなギター。リズム隊も特筆で、シャープに引き締まったトーンで小気味良くドライヴするドラム、ハイポジションでよく動くベースはキレ味抜群。そして、魅力的なのが、辺境プログレの哀愁がつまった霧に包まれたようなセンチメンタルでドラマティックなセルビア語のヴォーカル。ジェネシスやイエスなど英プログレからの影響とともに、マハビシュヌ・オーケストラなどジャズ/フュージョン・ロックやファンクなどのエッセンスを加えた色彩豊かなサウンドは、テクニック、アレンジセンスともに抜群。個人的には、1曲目を聴いて、「旧ユーゴのアトール!」というキーワードが頭に浮かびました。
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