2014年6月30日 | カテゴリー:ユーロ・ロック周遊日記
タグ: プログレ
毎回ユーロロックの名盤をピックアップしてご紹介する「ユーロロック周遊日記」。
本日は、プログレの本場イギリスから登場した新鋭プログレ・グループ、AUTUMN CHORUSの2012年デビュー作『VILLAGE TO THE VALE』をピックアップいたしましょう。
バンドの出身は、イギリス南東部のブライトン。ヴォーカル、ギター、トランペット、オルガンを操るマルチ奏者ロビー・ウィルソンを中心に07年に結成されました。
メンバーは下記の4人。
Robbie Wilson / vocals, guitars, trumpet, organ
Luke Foster / drums, glockenspiel, piano
Peter Evans / bass, glockenspiel, percussion
Chris Lloyd / guitars, thumb piano
現代イタリア・プログレ・シーンの注目のレーベルAltrockと契約し、その傘下のFADING RECORDSより2012年にリリースされたデビュー作が『VILLAGE OF THE VALE』です。
アルバムの幕を静かに開けるのが鉄琴の一種であるグロッケンシュピール。
まるでオルゴールのように静謐でいてファンタスティックなイントロではじまり、ドラムが入ると、オルガンが幻想的にたなびき、トランペットやストリングスなど管弦楽器が艶やかな音色を奏でるなど、クラシック・ミュージック由来の格調高さと温かみとともに、ポスト・ロック的な浮遊感が絶妙にブレンドされたイマジネーション溢れる音世界が次々と描かれていきます。
ささやくように歌うハイ・トーンの繊細でメランコリックな美声男性ヴォーカル、聖歌隊のように厳粛なコーラス・ワークも絶品。
レーベルからのインフォには、参考バンドとして英国70sプログレの名グループFANTASYとアイスランドのポスト・ロック・バンドSIGUR ROSが挙げられていますが、なるほどその通り!
ジャケットのイメージ通りのいかにも英国的な牧歌性や幻想性と、宗教的とも言える崇高さとが完璧に融合したサウンドにただただ言葉を失います。
全ての楽器と声とが信じられないほどに繊細に紡がれた、凛とした音の透明感。
デビュー作とは思えない孤高の逸品です。
これは名作でしょう!
なお、本作をリリースしたイタリアのFADING RECORDSは、反商業主義の芸術的に高度な音楽を続々とリリースしているイタリア注目のレーベルAltrock Productions傘下に設立されたレーベルで、チェンバー/アヴァン・ロック系のAltrockに対し、オリジナリティ溢れるシンフォニックな作品をリリースしています。
なお、Altrockレーベルはこちらで特集しておりますので、チェック是非!
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05年に実験的なロックのためのフェスを開催するために設立され、翌06年に、YUGENの作品をリリースし、レーベルとしてもスタートしたイタリアに本拠を置くAltrock Productionsを特集!
では、FADING RECORDSの注目作をピックアップいたしましょう!AUTUMN CHORUSとあわせてどれも必聴ですよ~。
PFMからCELESTEまでを宿す香り高く豊潤なイタリア叙情に、MOON SAFARIの爽やかなポップフィーリングを加えたようなサウンドが素晴らしい伊新鋭~!
P.F.M.やBANCOやLE ORMEなど往年の伊プログレのDNAとともに、米カンサスばりのキャッチーなプログレ・ハード色も併せ持った伊新鋭。リリカル&ハードにかっ飛ばす痛快な2014年デビュー作!
90年代はじめから活動するベテラン伊プログレ・バンドによる2014年作なんですが、クラシックの気品、ジャズの躍動感、地中海音楽のエキゾチズムがブレンドしたまばゆいサウンドは、これぞイタリアン・プログレ!
奇跡の復活を果たして、2012年作をリリース!しかも、あの77年の名作と、同時期にイングランドで生まれたイングランド『ガーデンシェッド』を掛け合わせたような、最上級の傑作だって!?
ギリシャはアテネ出身のプログレ新鋭、その女性ヴォーカルの名はエヴァンゲリス。美しい響きの名前の通りの澄み切ったハイ・トーンに心奪われます。ゲスト参加した伊プログレ注目グループYUGENのメンバーもさすがの仕事をしています。これは至高の一枚!
な、な、なんと、あのSHESHETやKTZAT ACHERET(NO NAMES)を率いたフルート奏者が全面参加!イスラエルから登場したキャメル系新鋭の激レコメンド作です。
伊チェンバー注目の名グループYUGENのKey奏者による11年リーダー作は、「一日千秋」という日本語の持つ美しさと儚さを見事に描いた叙情派チェンバー・ロック!
ムゼオなど70年代イタリアン・ロックのリリシズムやダイナミズムを基本に、アネクドテンのモダンな重厚感をプラスした感じ!? 2011年作、圧巻!
その他、FADINGレーベルの在庫一覧はこちら!
ギリシャはアテネ出身、女性ヴォーカル、男性フルート/Key奏者、男声ギタリストによるトリオ、2010年デビュー作。グリフォンやジェントル・ジャイアントから影響を受けているようで、艶やかなヴァイオリン、ミスティックでいて気品に満ちたフルートやリコーダーが彩る、クラシカルかつトラディショナルな優雅さに、ゲスト参加した現代イタリアが誇るチェンバー・ロック・バンドYUGENのKey奏者やD.F.A.のドラマーによるチェンバー・ロック/プログレのエッセンスが加わったサウンドは、圧倒的に瑞々しく幽玄。紅一点エヴァンゲリアの澄み切ったハイ・トーンのヴォーカルも絶品です。これは至高の一枚!
77年にイタリアン・シンフォ屈指の傑作をリリースしたグループによる、2012年再結成作。ヴォーカル、キーボード、ドラム、ベースのオリジナル・メンバー4人に加えて、ギターとキーボードの2人を新たなメンバーとして迎えた6人編成。いや〜、1曲目を聴いて心躍らないプログレ・ファンは一人もいないと断言!77年作に比べて幾分力強くタイトなドラムを土台に、ヴィンテージな音色のファンタスティックなキーボードとマイルドな歪みのギターがリズムを刻む中、ムーグ・シンセがどこまでも続くようにリリカルなフレーズを奏でる。場面が切り替わるように、ムーグからギターへとリードが移り、あの77年作を彷彿とさせる、繊細なタッチの歌心いっぱいのギターが流れると、もう胸がいっぱいになります。手数多くシャープにリズム隊が走りだし、キレのある変拍子の中をピアノが流麗にフレーズを奏でる・・・もうあまりの素晴らしさに笑みがこぼれます。ふぅ、あれ、はじまってからまだ5分しかたってない!8分を超える大曲2曲を含む新録の4曲の完成度の高さは圧巻の一言です。77年のライヴ音源(クリアなオーディエンス録音)を3曲収録しており、そちらももちろん素晴らしい。ベテランの復活作とは思えない瑞々しさに溢れた大傑作です!
イギリス南東部のブライトン出身で、ヴォーカル、ギター、トランペット、オルガンを操るマルチ奏者ロビー・ウィルソンを中心に07年に結成された4人組。現代イタリア・プログレ・シーンの注目のレーベルAltrockと契約し、その傘下のFADING RECORDSより2012年にリリースされたデビュー作。アルバムの幕を静かに開けるのが鉄琴の一種であるグロッケンシュピール。まるでオルゴールのように静謐でいてファンタスティックなイントロではじまり、ドラムが入ると、オルガンが幻想的にたなびき、トランペットやストリングスなど管弦楽器が艶やかな音色を奏でるなど、クラシック・ミュージック由来の格調高さと温かみとともに、ポスト・ロック的な浮遊感が絶妙にブレンドされたイマジネーション溢れる音世界が次々と描かれていきます。ささやくように歌うハイ・トーンの繊細でメランコリックな美声男性ヴォーカル、聖歌隊のように厳粛なコーラス・ワークも絶品。レーベルからのインフォには、参考バンドとして英国70sプログレの名グループFANTASYとアイスランドのポスト・ロック・バンドSIGUR ROSが挙げられていますが、なるほどその通り!ジャケットのイメージ通りのいかにも英国的な牧歌性や幻想性と、宗教的とも言える崇高さとが完璧に融合したサウンドにただただ言葉を失います。全ての楽器と声とが信じられないほどに繊細に紡がれた、凛とした音の透明感。デビュー作とは思えない孤高の逸品です。これは名作でしょう!
イタリアン・チェンバー・ロックの新鋭グループ=YUGENのキーボーディストによる初リーダー作。11年発表。YUGENと同様、高速変拍子をビシバシ展開するスリリングなアンサンブルを主体としながらも、本作は、ジャケットに刻まれた「一日千秋」という日本語の持つ美しさと儚さを見事に内包したような、抒情的な美学が随所に滲み出た作風が特徴。不穏さとシュールさを併せ持った室内楽器の響き、心を揺さぶる幻想的なキーボード、ヘヴィなロック・ダイナミズム、淡き幼少期を思い起こさせるような子供の声のSE…。柔らかさ/儚さ=「静」と、スリリングでダイナミックな展開=「動」による圧倒的なコントラストから、イタリアン・ロックの確かなDNAが感じられる傑作です。
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