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【プログレ温故知新】クラシカルなヴァイオリン・プログレ【定番】SAGRADO CORACAO DA TERRA-> 【新鋭】LOST WORLD

【定番】SAGRADO CORACAO DA TERRA-> 【新鋭】LOST WORLD

クラシカルなヴァイオリンをフィーチャーしたプログレをテーマに、南米はブラジルのシンフォ・グループSAGRADO CORACAO DA TERRAの『FAROL DA LIBERDADE』、新鋭からはロシアのLOST WORLD『SOLAR POWER』をご紹介いたします。

プログレッシヴ・ロックを特徴づける楽器というのはいくつかあると思いますが、皆さんなら何を想像されるでしょう。フルート、サックス、ハモンド、シンセ、メロトロン・・いろいろありますよね。そんな中で特にクラシカル系のプログレには欠かせない楽器と言えばやはりヴァイオリン。時に優雅に時に分厚くシンフォニックに演奏を盛りたてるストリングスから流麗に舞うソロプレイまで、バンドサウンドに優美さや格調高さを与えてくれます。

そんなヴァイオリンのポテンシャルをフルに使ったスケール感いっぱいのサウンドを楽しませてくれるのが、ブラジルのシンフォ・グループSAGRADO CORACAO DA TERRAです。

SAGRADOは、数々のバンド/ユニットに参加し、TV/映画音楽家としても確立した評価を得るクラシック畑出身のヴァイオリニストMarcus Vianaが79年に結成したグループ。SAGRADOでのプレイの他に名演としてよく知られるのが、彼と同じミナス地方出身のミュージシャンでO TERCOや15BISなどで活躍したSSW/key奏者Flavio Venturiniの81年ソロ作における客演です。これがクラシック出身者らしい格調高さ優雅さと南米音楽に由来するちきれんばかりの叙情性が一つとなった素晴らしいプレイなんですよね。これだけでも彼が才能豊かなヴァイオリン奏者であるということは十分お分かりいただけると思います。

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そんなViana率いるSAGRADOはこれまでに5枚のオリジナルアルバムを発表しており、いずれの作品でも南米ブラジルらしいパッションと艶やかな叙情美をいっぱいに含んだスケール感溢れるシンフォニック・ロックを聴かせてくれます。今回はそんな中でもバンドの最高傑作に挙げられることも多い91年作『FAROL DA LIBERDADE(自由の灯)』から、ヴァイオリンの鮮やかなプレイが冴える躍動感いっぱいのシンフォニック・チューン「FAROL DA LIBERDADE」をどうぞ。

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序盤のミナス音楽を思わせる柔らかでファンタジックなピアノ伴奏に乗る優しげな歌声、そこに気品のあるヴァイオリンの音色が重なると一気にエネルギッシュでスケール感いっぱいのSAGRADOらしいシンフォニック展開へと突入!サビでは歌に呼応するように炸裂するエレクトリック・ヴァイオリンのキレのあるフレージングが素晴らしいですよね。この南米らしい艶やかな叙情を持ちつつもキャッチーでヌケの良いサウンドは、SAGRADO以外にはあり得ない魅力です。

リーダーのVianaが数々のプロジェクト・バンドやユニット、映画/TV音楽製作で多忙なせいもあるのか、00年以降スタジオ作品をリリースしていない彼ら。これだけのメロディセンス、演奏技術、そしてオリジナリティを兼ね備えたバンド、実力派ひしめく現在のプログレシーンにもそうはいません。またブラジルらしいパッションみなぎる作品が届けられるのを期待したいところですね!



さて、そのSAGRADOにも匹敵する新世代のヴァイオリン入りシンフォニック・ロック・バンドと言えば、やはりこのロシアの新鋭グループでしょう。

LOST WORLDは、ロシアの音楽院でクラシックを学んでいた学生たちによって90年に結成されたグループ。ヴァイオリン/ギター/ベースを兼任するAndy Didorenkoを中心に3人~4人で活動、90年代に7枚の自主制作アルバムを発表し、03年よりメジャーデビューを果たして以来、現在までに4枚のアルバムをリリースしています。

ショスタコーヴィチ、ラフマニノフ、 チャイコフスキーなどのクラシックの音楽家は勿論、ビートルズ、キング・クリムゾン、EL&P、イエス、ジェントル・ジャイアント、スーパートランプなどのロック/プログレまで愛聴するという彼らのサウンドは、まさにクラシックの格調高さとロック(プログレ)のダイナミズムの融合という言葉がふさわしいもの。

70年代のキング・クリムゾンを受け継ぐヘヴィで緊張感溢れる鋭角的なアンサンブルの上をクラシカルなエレガンスに満ちたヴァイオリンが疾走するスタイルを基本に、硬質にも叙情的にも自在な表現力で綴られていくサウンドの完成度は、90~00年代に登場した新鋭たちの中でも間違いなくトップクラスと言えるでしょう。

今回ピックアップする13年リリースの4th「SOLAR POWER」は、そんなヘヴィな緊張感を全編でみなぎらせていた従来の作風からより優雅で叙情的なパートが増え、アンサンブルにおける表情の幅が格段にレベルアップした快心作。その中からヴァイオリンの豊潤な音色が楽しめるスケール感溢れるシンフォニック・ナンバー「VOYAGE」をどうぞ♪

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ヘヴィでタイトなリズムセクションと、メロディアスにフレーズを紡ぐギター、そしてストリングスばりに厚みのあるヴァイオリンの優雅でパワフルなプレイが一体となって押し寄せてくる、硬軟自在の極上シンフォニック・チューンに仕上がっています。これは先にご紹介したSAGRADOにも肩を並べるクオリティとポテンシャルをひしひしと感じさせるサウンドですね。

本作までおよそ3年ごとにリリースされている彼らのスタジオアルバム。次回作への期待はまだ早いかもしれませんが、きっと本作すらも上回る驚異の新作を届けてくれることでしょう。是非楽しみにしたいですね!

なお、LOST WORLDへのインタビュー記事もございますので、彼らのサウンドに興味を持たれた方は是非こちらもお楽しみいただければ幸いです!


【アーティスト・インタビュー】LOST WORLD BAND

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キング・クリムゾンからの影響が感じられる硬質でアグレッシヴなサウンドをベースに、クラシカルなヴァイオリンやフルートが疾走するテクニカル・アンサンブルが痛快な、現在最も注目すべき新鋭の一つですLOST WORLDの魅力に迫るインタビュー!



クラシカルなヴァイオリンをフィーチャーしたプログレをご紹介してまいりましたが、お楽しみいただけましたでしょうか。時に優雅にも情熱的にも響くヴァイオリンの音色の魅力は、言葉に言い表し難いものがあります。是非ご自分の心に格別の響きを残すヴァイオリン・プログレを探求していただければと思います。

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    下記ページで全曲試聴可能です!
    https://lostworldband.bandcamp.com/album/a-moment-of-peace

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