2014年5月16日 | カテゴリー:ユーロ・ロック周遊日記,世界のロック探求ナビ
タグ: プログレ
毎回ユーロロックの名盤をピックアップしてご紹介する「ユーロロック周遊日記」。今回は、世界中に星の数ほど存在するGENESISフォロワーの中でも特に完成度/再現度の高い名作として語られてきた、ジャーマン・シンフォ・グループNEUSCHWANSTEINの当時としては唯一作『BATTLEMENT』をピックアップいたしましょう。
NEUSCHWANSTEINは、71年に結成された6人組のグループ。唯一作となる本作が79年リリースということで、プログレ最盛期だった70年代をほぼ空白の時代として過ごしているのがかえって興味深いところですよね。近年発掘された76年のライヴ作品の存在もあって、70年代中盤の彼らのサウンドも知ることができるようになりました。まずはその発掘ライヴからの音源をお聴きいただきましょう♪
不思議の国のアリスを題材に朗読を交えつつのライヴパフォーマンスとなっており、文学作品をモチーフとしている点では同郷ANYONE’S DAUGHTERによる名ライヴ盤『ピクトルの変身』とも比較できる好内容に仕上がっています。
サウンドの方はピアノやフルートのリリカルな演奏をメインとした純クラシカルなもので、甘くメルヘンチックに綴られる演奏はさすがジャーマンシンフォというべきもの。GENESIS色はまだほとんど表れていないものの、この時点ですでに十分に質の高いサウンドを楽しませてくれています。
さて70年代終盤と言えば、本家GENESISが『そして3人が残った』~『デューク』をリリースしたあたりで、脱プログレ、そしてポップ化へと邁進していく時期に当たります。そんな中で、バンドにとってはすでに過去のものとなった初期GENESISのサウンドをリスペクトし受け継いだグループたちがイギリスのみならず世界中に登場しました。その流れの中で一際クオリティの高い作品をリリースしたのが彼らドイツのNEUSCHWANSTEINだったと言えるんです。
では本作からのナンバーをお聴きください♪
躍動的で時にテクニカルにも畳みかけるリズム隊、格調高い12弦ギターの調べからハケット風のスリリングに尖ったエレキのプレイまで自在にこなすギター、そして演奏にシンフォニックな厚みを加えるキーボードと、とにかく初期GENESISへの憧憬と愛情に満ちた演奏を聴かせてくれていますよね。しかしさらに注目すべきなのが、Peter Gabrielそのものと言える声質でシアトリカルに歌い上げるヴォーカルの存在感!彼を真似たヴォーカリストが在籍するGENESISフォロワー・バンドはそれこそ星の数ほど存在しますが、声質/唱法とここまで酷似した歌い手はそうはいなかったはず。Roine Stolt率いるAGENTS OF MERCYや近年ハケット・バンドで往年のGENESISナンバーを歌っているNad Sylvanにも引けを取らない再現度です。
一方で、ファンタジックに駆け抜けるシンセはフレーズこそTony Banksを思わせる格調高く美しいものですが、音色は80年代以降主流となる人口的でやや品のないトーンなのが特徴的。しかしながらそれが何ともジャーマンらしい味わいを加えており、ただ優美なだけの音ではなくジャーマン・シンフォとしてのアイデンティティも堪能させてくれるところがまた見事なんですよね~。
70年代にはたった一枚の作品を残してシーンを去っていったバンドが数多存在しましたが、このバンドもそのたったの一枚によって後世まで語り継がれる名バンドになったわけですね。プログレが栄華を極めた70年代を通してライヴ活動で地道に磨いてきたセンスが見事集約された名盤ですね!
アメリカのグループ、78年作、キーボード・アンサンブルを中心にファンタジックなアプローチでGENESISからの影響を露骨に表現しており、ダブル・キーボード編成でTony Banksを髣髴とさせるヴィンテージなサウンドを聴かせる!
GENESISを髣髴とさせながらも英国勢とはまた違ったダークでアクの強い演劇性を持ったシアトリカル・ロック、そしてフランス産ならではの美意識を武器に名盤を送り出した重要グループ
ドイツ産らしい深みと翳り、そして格調高いフルートが木霊する様はまさにジャーマン・シンフォ!77年作、GENESIS系屈指の名作
アルゼンチンの名グループ。変拍子による間奏のキメのファンタスティック&ドラマティックさときたら!溢れ出るロマンティシズムにただただ感動。
メキシコのシンフォ・グループ、85年作より。端正かつリリカルなピアノ、繊細なアコギ、美しいフルートを中心とする叙情派シンフォ。曲後半のギターとピアノのソロ応酬はただただ涙。ハケットばりの繊細優美なソロに悶絶☆
ベルギーのグループ。GENESIS meets PILOTと表現したくなるようなメロディアスで美しいハーモニーに溢れたシンフォニック・ロック。抜群のポップ・センスと洗練されたアンサンブル。ELOのファンにもオススメ。
アメリカのグループ、自主制作ながらハイ・クオリティを誇る81年の名作。ずばり北米の『ENGLAND/GARDEN SHED』!ジェネシス直系の叙情美、イエス直系のテクニカルかつ伸びやかなアンサンブル。ファンタスティックでイマジネーション溢れる逸品!
カナダのグループ、02年作の1st。GENESISやYESからの影響を感じる「動」のパートと、P.F.Mのように優美で幻想的な「静」のパートとが織り成す、超一級のシンフォニック・ロック。
ドイツやスイスとの国境にほど近いフランス東部はベルフォールのバンドなんですが、何とも言えない奥ゆかしいメランコリーがたまらないなぁ。初期クリムゾンやジェネシスのファンは是非一聴を!
ジャケットからして分かる通り、ジェネシス〜マリリオンに通じるスイスのバンド。旋律からにじみ出るハケットやバンクスへのひたむきな愛情が良いなぁ。
なんと80年代はじめの中東にジェネシスやキャメル直系のこれほどまでにハイレベルなシンフォ・バンドが居たとは・・・。
イングランドが『ガーデンシェッド』をリリースしたのと同じ77年に、南半球にて、ジェネシスとイエスのエッセンスを同じく継いだこんな名盤というか迷盤が生まれていたとは・・・。これは名づけて「大道芸プログレ」!痛快!
70年代末に残されたフレンチ・シンフォの秘宝。ジャケには秘宝感ないですが、奥ゆかしく叙情的なシンフォニック・サウンドはいかにもフランスならではで秘宝感ぷんぷん。ジェネシス直系の「詩情」と「ドラマ」もたっぷり。
79年にリリースされた「Battlement」が、ジャーマン・シンフォニック・ロックの名盤として広く知られるグループの、幻のデビューアルバムが30年の時を経てリリース。2ndアルバムでは12弦ギターとしゃがれ声ボーカルによるGENESISの色濃いシンフォニック・ロックが印象的ですが、本作では2ndアルバムのボーカリストはまだ加入しておらず、ナレーションが入る他はオールインストとなっています。音楽的にも、そのお国柄を反映したファンタジックさとリリシズムは共通するも2ndアルバムで聴けるマイルドなシンフォニック・ロックとはやや異質であり、こちらはフルートのリードと、ダブルキーボードのきらびやかなアプローチで聴かせるロマン派ジャーマン・シンフォニック・ロックという趣。また、80年代に足を突っ込みかけていた2ndアルバムとは違い、より70年代的な音像で聴かせている点も大きなポイントでしょう。ファン必聴の素晴らしいコンセプトアルバムであり、2ndアルバムとあわせて霧深いジャーマン・プログレの隠れた名盤となっています。
EXM026(EXPLORE RIGHTS MANAGEMENT)
デジタル・リマスター、ソーニャ・クリスティーナによる英語ナレーションへの差し替えが施された22年盤!
EXM026(EXPLORE RIGHTS MANAGEMENT)
デジタル・リマスター、ソーニャ・クリスティーナによる英語ナレーションへの差し替えが施された22年盤!
ジャケットに折れがあるため、値引きセール品になります。
ドイツの古城をバンド名に据えたシンフォニック・ロックグループの79年作。いわゆるGENESISフォロワーの中でもその徹底したサウンドメイクで評価を得たグループであり、初期、中期GENESISの音楽性を堅実に継承しています。ボーカルはPeter Gabrielそっくりのしゃがれ声でシアトリカルな歌い回しを聴かせ、のどかな田園風景を想起させるような12弦ギターのファンタジックな調べはまさに黄金期GENESISそのもの。そこに厚みのあるシンフォニックなキーボードが加わると、ジャーマン・シンフォニック・ロック独特の音の深み、そしてブリティッシュとはまた質感の違うロマン派の翳りが見える、素晴らしい作品です。
世界のニッチなロックにフォーカスした膨大なディスク・レビュー、マニアック過ぎる特集、濃密なコラム。質・量ともに過去最大の読み応えとなった「不思議音楽館 ORANGE POWER」第6弾!!
不思議音楽館/不思議音楽館 ORANGE POWER VOL.6
ORANGEPOWER6(–)
2700円 (税込2970円)
在庫あり
知名度に差はあれど、「ジャーマン・コズミック・ギタリスト」としてマニュエル・ゲッチングと双璧と言えるのがこの人!NOVALISの名盤群のプロデュースも手掛けた才人ですね!
ACHIM REICHEL & MACHINES/ECHO and A.R.IV
NEWAMOSRECORDS0002(NEW AMOS)
2790円 (税込3069円)
売り切れ
ジャーマン・ブルース・ハードの雄FRUMPYで活躍したフランス人キーボーディストと言えば?ずばりVERTIGOの名盤群にも匹敵する、荘厳にして哀愁たっぷりのオルガン・ロック逸品がこちら!
MPMC09002(MELTING POT)
2490円 (税込2739円)
売り切れ
クラシカルなハモンド、泣きのギターをフューチャーし、静と動めくるめく展開で一気に上り詰める!「至宝」という言葉がぴったりくるジャーマン・ハードの名作!
KUCKUCK110052(KUCKUCK)
1490円 (税込1639円)
超重低音の暴走ドラムをバックに、もの凄い音圧のオルガンやムーグがウネリを上げて暴れ回る!EL&Pも真っ青な破天荒っぷり!! このドイツのグループは凄まじいっす・・・。
SIXTY NINE/CIRCLE OF THE CRAYFISH
5222(JAMES & SMITH)
2490円 (税込2739円)
売り切れ
なんとメンバーはkey奏者とドラマーの2人だけ!?それなのにレッドゾーン振り切りまくりのこの破天荒さは凄い…!度肝を抜かれること間違いなしのジャーマン・オルガン・ハード!!
5223(JAMES & SMITH)
2500円 (税込2750円)
売り切れ
ツイン・キーボード編成で、メロトロン、アナログ・シンセ、ピアノから美旋律が溢れ、極めつけはアニー・ハズラムをよりクラシカルにしたような美声女性ヴォーカル!
CD001(GARDEN OF DELIGHTS)
2590円 (税込2849円)
強烈なヘヴィネスに加え、目眩のするようなサイケデリック濃度を併せ持つ、ジャーマン・サイケ・ハードの名グループ!エンジニアは御大コニー・プランク!!
OW0262CD(OHRWASCHL)
2420円 (税込2662円)
売り切れ
バッハの「フーガ」を取り入れて荘厳なチャーチ・オルガンで盛り上げたと思ったら、一転ラウドで荒削りギターでスリリングに畳みかける!うーんこれぞジャーマン・クラシック・ロック!
MALS300(MALS)
2190円 (税込2409円)
売り切れ
そのバンド名どおり、「英国らしさ」を最もイマジネーション豊かに音像化した一枚ではないでしょうか。魔法のようにファンタスティックなメロトロンのプレイも圧巻の大傑作!
GTR153
3290円 (税込3619円)
在庫あり
80年代のドイツに、こんなにもジェネシスやキャメルへの愛情に満ちた作品が生まれていたんですね。時代を考えると自主制作なのは仕方がないけど、泣きの美メロに溢れた叙情派シンフォの名品ですよ、これ!
FGBG4052AR(MUSEA)
2290円 (税込2519円)
在庫あり
もしもムーディー・ブルースに、スティーヴ・ハケットとピート・バーデンスが加入したら、って感じ!これはずばりオランダの秘宝!
PP124(PAISLEY PRESS)
2290円 (税込2519円)
在庫あり
そのバンド名どおり、「英国らしさ」を最もイマジネーション豊かに音像化した一枚ではないでしょうか。魔法のようにファンタスティックなメロトロンのプレイも圧巻の大傑作!
ERC32004
1290円 (税込1419円)
そのバンド名どおり、「英国らしさ」を最もイマジネーション豊かに音像化した一枚ではないでしょうか。魔法のようにファンタスティックなメロトロンのプレイも圧巻の大傑作!
ERC32004
870円 (税込957円)
あまりに表情豊かなフランス語の魔力に酔わされること必至!分厚いシンフォ・サウンドが演劇調ヴォーカルと激しく拮抗する作風から、ヴォーカルを引き立てる繊細なタッチのアンサンブルへと深化を遂げた名品です☆
8422372(PHILIPS)
1390円 (税込1529円)
イエスとジェネシスを強く感じる明朗でシンフォニックなスタイルですが、それを霧が覆うようなロマンティシズムで包み込んだ質感はやはりドイツならでは。シアトリカルなヴォーカルも映えます。
5318098(UNIVERSAL)
5190円 (税込5709円)
売り切れ
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