【ユーロロック周遊日記】MOON SAFARIにも匹敵する北欧ファンタスティック・プログレ名盤、RITUALの95年1st『RITUAL』

• ツイート

一日一枚ユーロロックの名盤をピックアップしてご紹介する「ユーロロック周遊日記」。本日は、ファンタスティックで躍動感たっぷりなスウェーデンのプログレ・グループRITUALの95年デビュー作『RITUAL』をピックアップいたしましょう。

RITUALは、90年代スウェーデンを代表するプログレ・バンド。95年に本作でデビューを果たし、07年までに4枚のスタジオ作をリリースしています。

さて、このバンドのサウンドを一言で表すのはなかなか難しいものがあります。核には間違いなくMOON SAFARIの諸作にも匹敵する瑞々しいポップセンスが脈々と流れているのですが、そこにイエス風のドライヴ感溢れるアンサンブルが入ってきたり、キャメルを彷彿させる優美なシンフォが現れたり、はたまた北欧らしいきらめく様な音色のアコギや古楽器の数々が織りなすトラッド・アンサンブルが挿入されたかと思うと、いかにも90年代なオルタナ調が登場するなど、その音楽性はとにかく多彩。そしてそんなミクスチャーなサウンドをパワフルにまとめ上げるのが、Patrik Lundstromの声量豊かでセンシティヴな表現力にも長けた見事なヴォーカル・パフォーマンスです。

では本作からの楽曲をどうぞ♪

へヴィで性急なアンサンブルが、サビで一気にファンタスティックに広がっていく展開が素晴らしいタイトル通りのナンバー「WINGSPREAD」

試聴 Click!

これでこそ北欧！言いたくなる瑞々しすぎるトラッド・アンサンブルが美しい名品「WAY OF THINGS」

試聴 Click!

バンドのテクニックが堪能できるへヴィチューン「SOLITALY MAN」

試聴 Click!

気品に満ちた北欧トラッドのエッセンスと個性みなぎるポップ・ミュージックが見事な融合を聴かせる「DEPENDENCE DAY」

試聴 Click!

さまざまなサウンドを自在に融合させる高度な音楽性をもちながらも親しみやすさが第一に感じられるのは、バンドの根底に流れる溢れんばかりのポップフィーリングがあってこそのもの。
変化し進化するロックこそがプログレッシヴ・ロックであると考えるなら、本作はまさにプログレッシヴな名盤と言えますよね。

なお、ヴォーカル/ギターのPatrik Lundstromは、00年代に再編されたKAIPAでもその素晴らしいヴォーカルを披露していますので、本作を気に入った方は是非00年代以降のKAIPAもお試しください♪