2014年3月11日 | カテゴリー:世界のロック探求ナビ,日々是ロック
タグ: 日々是ロック
こんにちは、カケレコ店長の田中です。
昨日は商工会青年部の研修で、「デジタル」と「アナログ」の新しい概念を教わりました。
「アナログ」:複製できないもの。一つ一つ違う。
「デジタル」:複製できるもの。すべて同じ。
年賀状を例にすると、本来「アナログ」でやるものなのに(一つ一つ手書き)、「デジタル」で(同じ文面のコピーを惰性で出す)やってしまっていることって多いですよね。
「デジタル」で効率化することは大切だけど、「アナログ」でやるべきところを「デジタル」にしてはいけない。「デジタル」化する本質は、「アナログ」に当てる時間を増やすこと、なんですよね。
カケレコでいうと、システム化するところはして効率化しつつ、そこでできた時間で「伝える」という仕事を一つ一つ丁寧に行う。「伝える」部分を効率化しようとしてはダメで、ただただ非効率に愚直に、音楽を聞き、その背景となる文化を学び、誠実に伝えていかねば、と改めて思いました。
さて、入荷したCD、売れたCDの中から店長オススメの作品をピックアップするこちらのコーナー「日々是ロック」。
試聴用の動画とともに、関連する特集記事やジュークボックス・コンテンツやニッチな中古リストをご紹介してまいります。
一枚目は、昨日入荷したハンガリープログレの代表格、アフター・クライングの傑作ライヴをピックアップ!
片手にトランペット、片手にキーボードで楽々早弾きをこなしちゃったり、やはりハンガリー・プログレを代表するグループの映像、凄まじいです・・・。結成25周年のスーパーライヴ!
ハンガリーの新鋭と言えば、このグループもまたオススメです。
ハンガリーが誇るテクニカル・フュージョン・ロック。メタリックな硬質さ、アコースティックなジャズのふくよかさ、フュージョンの軽快さが違和感なく融合した快作!
テクニカルなプログレと言えば、フランスのズール系の作品が続々とリイシューされていますね。昨日入荷した人気作2枚をピックアップいたしましょう。
狂暴な変拍子に終始なぎ倒されっぱなし!ヘンリー・カウやクリムゾンばりの強度でレッドゾーンを振り切りまくるズール系新鋭による痛快すぎる傑作!
深遠な女性ヴォーカルとほの暗く静謐なアンサンブルが印象的なZEUHL系グループ。緩やかに展開する物語に添うように、徐々にダイナミックに、徐々に肉感的に変容していくアンサンブルは圧巻!
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マグマに魅せられたZEUHL(ズール)系の新旧作品をリリースするフランスのSOLEIL ZEHULレーベルのカタログから注目の作品をピックアップ。
近年はオランダのプログレ・シーンも注目で、ベテランから新鋭まで良質なシンフォニック・ロックが次々にリリースされています。
まずはベテランによる人気作からまいりましょう。
KAYAKのKey奏者による2013年作ですが、非常にヨーロピアンでトラディショナルで映像喚起的で美しく気品いっぱいの名品!
オランダの新鋭で注目度ナンバーワンといえばCHRISでしょう!
オランダのマルチ奏者による12年作、これがムーン・サファリばりの流麗で躍動感あるアンサンブルに、ジェネシス/キャメルを受け継ぐ夢見るようなロマンティックさが加わった絶品シンフォ作なんです。この一曲目、試聴是非っ!
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注目のプログレ新鋭の魅力に迫る「アーティスト・インタビュー」企画。近年続々とメロディアスな名作がリリースされているオランダのプログレ・シーンの中でも特にその才能に注目が集まるコンポーザー&マルチ・インストゥルメンタル奏者のCHRISことChristiaan Bruinにインタビュー。
オランダといえば、キャメル・タイプの好グループが多いですが、このグループはその中でも代表格。
キャメルタイプの実力派がひしめくオランダ新鋭の中でも一際ハイクオリティーなのがこのバンド。『SNOWGOOSE』~『MOONMADNESS』期のキャメルが好きな方なら興奮必至の13年作ですよ!
お次ぎは北欧からピックアップいたしましょう。北欧新鋭のカケレコ一番人気はこちら!
震えずにはいられない。涙せずにはいられない。『Lover’s End』でブレイクした北欧MOON SAFARIによる感動のライヴ作品!
北欧を代表するギタリストと言えば、ロイネ・ストルト。彼が在籍するトランスアトランティックの2013年作、大人気です。
時にダイナミックに音空間を色鮮やかに彩っていくニール・モーズのKey、そこに相変わらずのアーティスティックなフィーリングで光を射し込み、音にキラメキを生み出すロイネのギター!さすがと言える圧巻の2013年作4th!
イギリスの新鋭の人気作も入荷しましたのでピックアップ。
05年結成の英シンフォ・バンドなんですが、この13年作のクオリティが凄い・・。きらびやかなアコギやどこまでもクリアに広がっていくようなシンセの音色がひたすら美しいこのナンバー、試聴是非!→
カケレコなら「イギリス」の「新鋭」にしぼって中古を探せますよ〜。
新鋭プログレと言えば、北欧と並びイタリアも発信地。このバンドが筆頭格ですね!
「四季」を描ききった伊プログレ新鋭による傑作をまだ聴いていない!? この「冬」編で聴けるメロトロンとピアノによる「凛」としたサウンドは、並の才能では出せませんよね。
「イタリア」の「新鋭」にだってしぼって中古を探せますよ〜。
リイシューものの人気アイテムもピックアップいたしましょう。
まずは、大人気のスペインのプログレ/ジャズ・ロックから!
初期ニュークリアスに比肩するスペイン・ロック黎明期を代表するグループによる傑作デビュー作!ロワッサンに懐中時計がはまったジャケデザインは、当時のフランコ独裁体制への批判。
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70年代にスペインでおこったロック・ムーヴメント「Musica Laietana ライエターナ・ミュージック」を特集!
切なさの中にも芯の強さが感じられる歌声、淡々としながら哀愁漂うメロディー、BRINSLEY SCHWARZによるいぶし銀のバンド・アンサンブル。とにかくすべてが奇跡的に素晴らしい英国フォーク・ロック!
英フォーク・ロックから2枚、人気作をピックアップいたしましょう。
切なさの中にも芯の強さが感じられる歌声、淡々としながら哀愁漂うメロディー、BRINSLEY SCHWARZによるいぶし銀のバンド・アンサンブル。とにかくすべてが奇跡的に素晴らしい英国フォーク・ロック!
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数多くの英SSWの名作を支えた、目立たないながらも愛すべき「いぶし銀バック・バンド」達にスポットを当てます。ちょっと渋いセレクションですが、この周辺に英ロックならではの旨味がたくさんつまっているんですよね。
このカエル・ジャケのセンスは微妙なんだけど、そこがいかにも英ニッチ・ポップって感じで愛すべきだし、パブロック風味のフォーク・ロック・サウンドにグッときちゃう好盤!
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フェアポート・コンヴェンションの初代ヴォーカリストであり、ソロやバンドで米ウェストコースト・ロック憧憬の愛すべき名作を残し、今も活動を続ける名SSW、イアン・マシューズをピックアップ。
ブリティッシュSSWやフォーク・ロックやスワンプ・ロックやパブ・ロックの中古CDコーナーはこちら!牧歌的で叙情的な愛すべき作品ばかりですね〜。
辺境ポップを一枚。
チリのビートルズとも言われる国民的グループだって?サージェント・ペパーズ・シンドロームにどっぷりつかったサイケな68年作だって?う~む、このオープニング曲でのファズ・ギター炸裂の混沌ときらめくハーモニーとの見事な対比。プリティ・シングス『SFソロウ』のファンは是非!
ここからは、プライヴェートプレスのフォーク・ディープ盤をピックアップしてまいりますよ〜。
自主制作とは思えない神々しさ。とにかく男女4人の格調高く荘厳なコーラス・ワークの美しさに尽きますね~。自主制作ブリティッシュ・トラッドの大傑作!
こ、これは数ある英プライヴェート・フォークの秘宝の中でも屈指の完成度!童謡のような無垢さ meets サイケ・フォーク的ミスティックさ = ?
ジョニ・ミッチェルが英国に渡って、英ロックの名うてのミュージシャンをバックに録音したような、そんな作品があるって?しかも、ストリングスは、あのニック・ドレイクで有名なロバート・カービーだって!?
ヴァシュティ・ブニヤンをより神秘的にしたような麗しのヴォーカルだって!? この質感、アメリカというより英フォークに近いですね。
いかがでしたか?
みなさまにとってぴったりの一枚が見つかれば幸いです。
ハンガリーのグループ、06年作2nd。名作1stの延長線上にあるテクニカル・プログレ。メタリックな硬質さ、アコースティック・ジャズのふくよかさ、フュージョンの軽快さが違和感なく融合したサウンドからは、一聴して聴き手を捉える明快なテンションとともに、豊潤な奥行きを感じます。各音の瑞々しさと躍動感は特筆もの。単にテクニックで押すだけではない、豊かな音楽性が感じられます。これは傑作です。
英国はヨークシャー在住のマルチ・インストゥルメンタル奏者Andrew Marshallによるプロジェクト。2013年作3rd。きらびやかなアコギやどこまでもクリアに広がっていくようなシンセの音色がひたすら美しいシンフォニック・ロックが印象的。そうかと思うと、タイトなリズムセクションに乗って艶のあるシンセとレトロな音色のオルガンがダイナミック疾走する「動」のパート、哀愁を湛えたフルートや気品高くもどこか陰鬱に響くヴァイオリンが彩る「静」のパートなど、英国らしい端正な音使いのアンサンブルが繰り広げられます。そして、ここぞというところで溢れ出すメロトロンに、わかっていても悶絶。中世英国の気品溢れる世界観を想起させる絶品シンフォニック・ロック。これは傑作です。
MAGMA/ZEUHLサウンド影響下のフランスのマルチ・ミュージシャン、FRANCOIS THOLLOTによるグループ。11年デビュー作。編成は、リズム隊にギター、ピアノ、アルト・サックスの5人組。変拍子を散りばめながら急激な緩急でシャープに畳みかけるドラム、クリムゾン『レッド』期ばりの轟音ベースによる硬質なリズム隊からして圧倒的なテンション!さらに、緊張感をあおるミニマルなフレーズから疾走する早弾きまで緊張感をあおるキーボード&ピアノ、塊となって聴き手に襲いかかるギターとサックスが追い打ちをかけて、ヘンリー・カウやクリムゾンばりの強度でレッドゾーンを振り切ります。いや〜、凄まじい熱量とスピード感。アコースティックな音色もうまく配して音は芳醇さもあるものの、アンサンブルは終始キレキレ。狂暴な変拍子になぎ倒されっぱなしの痛快な傑作です。
スポックス・ビアードのニール・モーズ(Key/Vo)、フラワー・キングスのロイネ・ストルト(G)、ドリーム・シアターのマイク・ポートノイ(Dr)、マリリオンのピート・トレワヴァス(B)の4人で99年に結成された多国籍スーパー・グループ。09年の『WHIRLWIND 旋風』以来4年ぶりに届けられた2013年作4thアルバム。ドラマティックな構築美をこれでもかと詰め込んだ大作指向は健在で、25分を越えるオープニングの「Into The Blue」、ラストを飾る31分を越える「Kaleidoscope」の大曲2曲を中心に、フックに富んだメロディアスな小曲3曲という構成。時に柔らかに、時にダイナミックに音空間を色鮮やかに彩っていくキーボード、そこに相変わらずのアーティスティックなフィーリングで光を射し込み、音にキラメキを生み出すロイネのギター、そしてシャープかつタイトなリズム隊。明瞭かつ先鋭的なトーンでヘヴィに畳みかけるモダン・プログレなパートと、どこまでもファンタスティックで伸びやかなヴィンテージ色溢れるパートとを見事に対比したドラマティックな展開は圧倒的なスケールです。一音一音の瑞々しさと緻密な構成にただただうならされる圧巻の傑作!
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