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マウロ・パガーニ『マウロ・パガーニ~地中海の伝説』 – ユーロロック周遊日記

イスラム文明とキリスト教文明とが幾重にも重なった地中海で育まれた地中海音楽と、ロックやジャズが結びついた地中海ロック。その頂点に君臨する一枚であり、「ワールド・ミュージック」というキーワードが世に出る前に土着の民族音楽に目を向けた元祖ワールド・ミュージックとしても高く評価される傑作がマウロ・パガーニが79年にリリースした1stソロ『マウロ・パガーニ~地中海の伝説』です。

マウロ・パガーニは、言わずと知れたイタリアを代表するプログレバンドPFMで活躍したヴァイオリン/フルート奏者。イタリア北部のブレシアで1946年に生まれます。フルート奏者だった父の元、10歳からフルートとヴァイオリンを学び、60年代後半には様々なロック・バンドで活動後、70年にPFMの前身QUELLIに参加し、プロとしての活動をスタートさせます。

PFM時代の勇姿が収められたライヴ映像をご紹介いたしましょう。

地中海フレイヴァーたっぷりの躍動感とたおやかさに溢れた名曲「Celebration」!

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『CHOCOLATE KINGS』を最後にPFMを77年に脱退。その後は、自身の音楽的ルーツを求め、地中海の民族音楽の探究をはじめます。そして、その成果として制作されたのが『マウロ・パガーニ~地中海の伝説』です。

マウロは、ヴァイオリン、フルートの他、ギター、オルガン、ピアノ、ピッコロ、ブズーキ、ウード(中東から北アフリカのアラブ音楽圏で使われる弦楽器)、サズ(イラン・トルコ・バルカン半島諸国でポピュラーな弦楽器)を操るなど、マルチ・インストゥルメンタル奏者としての才能を見事に開花。そこに、AREAやPFMのメンバー、地中海プログレの名グループCANZONIERE DEL LAZIOのメンバーが加わり、アラビックな旋律が渦巻くエキゾチズムとロックのダイナミズムとがぶつかりあった芳醇かつ強靱なサウンドが生み出されています。

なお、CANZONIERE DEL LAZIOはマイナーなグループですが、地中海ロックの名グループ。スペインのCOMPANYIA ELECTRICA DHARMAのファンはたまらないでしょう。

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それでは、何曲か聴いてまいりましょう。AREAのメンバーが参加したオープニング・ナンバーから地中海プログレの大名曲!

T1: Europa Minor

イントロから、ヴァイオリンと民族弦楽器によりユニゾンで奏でられる、こぶしを効かせたようなエキゾチックな旋律が全開!

ジャズ・ロック的なパートでは、AREAのメンバーが強靱なリズムでアンサンブルを力強く引っ張り、北アフリカの祝祭に紛れ込んでしまったようなアラヴ・フレイヴァーたっぷりのパートでは、CANZONIERE DEL LAZIOのメンバーがパーカッションで土着的に彩ります。

ヴァイオリンが駆け抜ける中間部は、これぞ民族フリー・ジャズ!

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T4: La citta aromatica

たおやかなに爪弾かれるアコギ、悠久なる地中海の大地の香りを吸い込んだように伸びやかに奏でられるヴァイオリン。

P.F.M.のメンバーが参加していて、クラシカルな格調高さや気品も感じられます。

クラシックとジャズと地中海音楽の豊かなフュージョン。香り豊かな名曲です。

『世界の車窓から』の石丸謙二郎さんのナレーションが聞こえてきそうですね。

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T5: L’albero di canto

この曲もAREAのメンバーが参加。

冒頭からデメトリオ・ストラトスの地を這うようなスキャットが炸裂。

アラビックな旋律を歌い始めると、ピアノがユニゾンで重なり、ヴァイオリンが入るとテーマのメロディとなって昇華し、一気にアンサンブルが動き出します。

ジャズ・ロック的な手数の多いドラムとともに熱量が増していき、マハビシュヌばりのソロの応酬へと突入。

狂おしいばかりに弾かれるヴァイオリン、ピアノ、ベース、そして超絶スキャットがめくるめくバトルを繰り広げます。

マハビシュヌにも一歩も引かないテンションが凄まじい、地中海テクニカル・フュージョンの名曲。

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いかがでしたか?

横軸は、ギリシャやイスラエルからイベリア半島のスペインまで。縦軸は、イタリアや南フランスから北アフリカまで。ギリシャに古代文明が起きてから中世までヨーロッパ文明の中心だった地中海。数多くの帝国による支配が繰り返される中で、イスラム文明とキリスト教文明がぶつかりあい、その中でラテン人やゲルマン人(ノルマン人)やアラブ人やユダヤ人が混じり合い、多彩な文化が長い年月をかけて幾重にも積み重なって芳醇なコスモポリタンな文化が築かれました。

そんな地中海で育まれた地中海音楽とアメリカからやってきたロックやジャズを結びつけたのがマウロ・パガーニであり、『マウロ・パガーニ~地中海の伝説』は、様々な時代・地域・民族が交差し溶け込んだコスモポリタン・ロックの傑作と言えるでしょう。

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  • MAURO PAGANI / MAURO PAGANI

    PFMで活躍したヴァイオリニスト、79年作1stソロ、地中海音楽×ロックの大傑作!

    元PFMのヴァイオリン/フルート奏者。77年にPFMを脱退した後は、自身の音楽的ルーツを求め、地中海の民族音楽を探求。その成果として制作された79年作の1stソロ。イスラム文明とキリスト教文明とが幾重にも重なった地中海で育まれた地中海音楽と、ロックやジャズとを結びつけた地中海ロックの頂点に君臨する一枚。マウロは、ヴァイオリン、フルートの他、ギター、オルガン、ピアノ、ピッコロ、ブズーキ、ウード、サズを操るなど、マルチ・インストゥルメンタル奏者としての才能を見事に開花。そこに、AREAやPFMのメンバー、地中海プログレの名グループCANZONIERE DEL LAZIOのメンバーが加わり、アラビックな旋律が渦巻くエキゾチズムとロックのダイナミズムとがぶつかりあった芳醇かつ強靱なサウンドが生み出されています。特にアレアが参加したオープニング・ナンバーは、ヴァイオリンと民族弦楽器とのユニゾンによるこぶしを効かせたようにウネる旋律を軸に、強靱なジャズ・ロック・パート、CANZONIERE〜のメンバーのパーカッションが北アフリカの祝祭に紛れ込んでしまったような土着フレイヴァーを奏でるパートとを対比させながら展開するスケールの大きな名曲。PFMのメンバーが参加したクラシックとジャズと地中海音楽の豊かなフュージョンの豊かなフュージョンを聴かせる4曲目や、デメトリオ・ストラトスの超絶スキャット、マハビシュヌばりのソロの応酬が凄まじい5曲目もまた必聴。様々な時代・地域・民族が交差し溶け込んだコスモポリタン・ロックと言える傑作です!

  • MAURO PAGANI / SOGNO DI UMA NOTTE D’ ESTATE

    PFMに在籍した名ヴァイオリン奏者/マルチ・プレイヤー、83年2ndソロ

    83年作の2ndソロ。シェイクスピアの「真夏の夜の夢」のサウンド・トラックとして制作された作品。

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