2014年1月20日 | カテゴリー:世界のロック探求ナビ
タグ: プログレ
人気バンドの新作や往年の名バンドによる新作など、話題作が数多くリリースされた2013年のプログレ・シーン。
そんな中から、シンフォニックな新鋭バンドによる、コレはっ!という傑作をセレクトしてご紹介してまいりますよ☆
今後注目のお気に入りバンドを見つけていただければ幸いです!
90年代以降の英プログレシーンを代表する実力派バンド。70年代英プログレ譲りの薫り高き叙情がアンサンブルいっぱいに広がる、温かみのあるマイルドなヴィンテージ感が素晴らしすぎる名品
英新鋭の中でもイギリスらしい格調高さを最も感じさせるグループの一つがWILLOWGLASS。きらびやかなアコギやどこまでもクリアに広がるシンセ、優雅なヴァイオリン、そして柔らかな幻想美を演出するメロトロンが美しいこの極上ナンバー、試聴是非!
00年代以降の英シンフォ界における重要バンド、ドラマティックに歌い上げる絶品フィメール・ヴォーカルと持ち前のテクニックでパワフルに迫るハード・エッジなナンバーから、英プログレ伝統のドラマティックかつファンタスティックなナンバーまで、力強く張りのある演奏が素晴らしい新たな傑作!
イタリアよりまさに彗星の如く現れたアコースティカルな新鋭、デビュー作。PFMからCELESTEまでを宿す香り高く豊潤なイタリア叙情に、MOON SAFARIの爽やかなポップフィーリングを加えたようなサウンドが素晴らしい!
MOONGARDENの別動バンドとしてスタートした伊ジェネシス系シンフォ・バンド、前作より実に11年の時を経てリリースされた13年作。これはもうジェネシス系シンフォの歴史に新たな1ページを刻んだと言っても良い、壮大すぎるシンフォ絵巻!
FABBIO ZUFFANTI周辺と共に今最も注目すべきなのが、伊チェンバー新鋭YUGENとその関連バンドたち。その中でも一際異彩を放つのがYUGENのギタリスト率いるこのプロジェクトバンド。虚ろなフィメール・ヴォーカル、メロトロンやヴァイヴがこの世のものとは思えない幽玄なる美を演出するチェンバー・シンフォの大傑作!
MUSEO ROSENBACHのステファーノ・ガリフィがヴォーカルで参加していたことで知られる伊ヘヴィ・シンフォの新鋭。ガリフィは脱退するも、彼に匹敵する若手ヴォーカルを新たに据え、前作を上回るテンションの怪作に仕上げてきました。デヴィッド・ジャクソン(VDGG)の参加にも注目!。
フランスより登場したヘヴィ・プログレの恐るべき新鋭2nd。『MDK』マグマか『RED』クリムゾンかという迫り来る音塊の如きヘヴィ・アンサンブルに、これまた嵐のように吹きすさぶ轟音メロトロンがもう強烈すぎ!
オランダより登場した88年生まれの才気溢れるマルチ・ミュージシャン、13年作!アコギと管弦、メロトロンを主体としたイマジネーション豊かでアコースティカルな温もりが広がるマジカルな傑作に仕上がっています☆
オランダのキャメル系新鋭FLAMBOROUGH HEADのドラマーを中心とする別働グループによる13年作。これがもう「SNOW GOOSE」~「MOONMADNESS」がフェイヴァリットという人にとっては、まさに蘇った初期キャメルと言える驚きの完成度なんです!
前作の成功で一気に世界中のプログレファンからの支持を獲得したスウェーデンのグループ。演奏面、アレンジ面、楽曲面と完璧と思われた前作からさらなる進化を遂げた圧巻の一枚!
現代プログレ・シーンの頂点と言うべきこのバンドの13年作は、ロイネのギターを筆頭にエッジの立ったキレのある演奏が全編を覆う、ロック・バンドとしての圧倒的なカッコよさが際立つ一枚!
キャメル、フィンチ、セバスチャン・ハーディなど極上のメロディアス・ギターがお好きなら、このノルウェー新鋭も外せないでしょう。アンディ・ラティマー直系のトーンに北欧らしいヒンヤリとした透明感を加えたような、優美な中にも締まりのあるギター・サウンドがとにかく素晴らしい!
北欧フィンランドの新鋭バンドによる13年作は、70年代プログレ名曲のカヴァー集!その中から70s英プログレ屈指の名盤よりこのナンバーをどうぞ♪なんとオリジナルkey奏者ロバート・ウェッブが参加!
現ロシアを代表するバンドによる待望の4thアルバム。クリムゾン的ヘヴィネスとヴァイオリンが奏でる豊潤なクラシカルさが高次元で融合、さらには民族音楽エッセンスまで漂わせる驚愕の一枚~!
現ポーランドを代表するバンドと言えば彼らですよね。ジェネシスの叙情美とフロイドの内省感を合わせたようなメロディーを東欧的なメランコリーいっぱいのアンサンブルが包み込んだこの13年作、ドラマティック過ぎっ!
エイジアや往年のプログレハードを分厚く荘厳なシンフォ・サウンドで包み込んだようなブルガリアの新鋭だって!?ウェットン似のヴォーカルがスケール感溢れる演奏に映えるこのナンバー、ご試聴ぜひ!
なんともアメリカンな素っ気ないジャケットですが、中身はとんでもない代物。管楽器を交えて恐るべき高速変拍子で疾走する狂気の暴走チェンバー・ロックが痛快!!近年アメリカに突然変異的に生まれている個性派レコメン系の最たるバンドの一つですね。
イタリアのプログ・フェスにも進出する現在要注目キューバ新鋭、待望の13年作!シンセ、フルート、ギターらが織りなすあまりに幻想的なアンサンブルは、FLOWER KINGS、HOSTSONATENら大御所に匹敵。これはずばり傑作です!
往年の南米プログレを彷彿させる詩情はそのままに、より現代のバンドらしいダイナミズムあふれる演奏で迫るアルゼンチン新鋭2nd。アルゼンチン・プログレの伝統を現代的なサウンドで再構築するその手法は、大御所NEXUSをも凌ぐ完成度!
Flavio VenturiniやLo Borgesが好きという方には問答無用でオススメ!往年のミナス一派に通じる珠玉のメロディーをファンタジックなシンフォ・アンサンブルが包み込むブラジル期待の新鋭~!
まさかこの日本に、MARCUS VIANAやLOST WORLDのリーダーに匹敵するヴァイオリン奏者が居たとは・・・。この圧倒的な技巧と躍動感、そして繊細なピアノ/キーボード。この日本の新鋭、ずばり完成度高いです。
アートワークにロジャー・ディーンを起用した日本の新鋭というだけでも注目度MAXですが、中身の方も凄い!繊細な表現力とダイナミズムを併せ持つピアノ&技巧派ギターを中心とした流麗な変拍子シンフォニック・ロックを展開。日本にここまでの実力派がいたとはっ!
いかがでしたか?往年の名バンドを受け継ぐ芳醇なヴィンテージ感で楽しませてくれるバンドから、卓越したメロディセンスでファンタジックに聴かせるバンド、そして出自がまったく不明の異形なる怪作まで、バラエティに富んだ好作品に恵まれた1年だったのがピックアップした作品からだけでも良く分かりますよね。さて2014年は一体どんな作品や新バンドが登場するのか、楽しみですね!
現代ロシアを代表する3人組プログレ・バンドによる13年作4th。シャープで安定感のあるドラム、テクニカルに躍動するベースを土台に、キーボードがリズム隊とは異なる変拍子でミニマルかつエスニック調のフレーズをかぶせ、緊張感を生み出す。そこにどこまでも伸びやかに、そして鮮烈に奏でられるヴァイオリン!芯のある太いトーンのギターやフルートもからみ、「静」と「動」を対比させながら流れるように畳みかけます。目の覚めるような完璧なオープニング・ナンバー。ただただ心が躍ります。2曲目以降も、切れのあるヴァイオリンが疾走するクラシカル・シンフォから、ヘヴィーにうねるギターが炸裂する70年代中期クリムゾン的ヘヴィー・プログレ、フルートをフィーチャーした民族調テクニカル・アンサンブルまで、1曲の中でめくるめく展開しながら、ハイテンションで駆け抜けます。終始テクニカルで展開が多いながらも、決して大味になることなく、精緻で格調高く気品に満ちているのがこのバンドの凄いところ。その点で、ジェントル・ジャイアントをも凌駕していると言っても決して過言ではありません。傑作3rdをさらに上回る、素晴らしすぎる傑作!
99年結成のポーランド屈指のプログレ新鋭バンド。ネオ・プログレとピンク・フロイドの影響の元に、メランコリックで映像喚起的なサウンドでデビューし、徐々に洗練させながら、前々作、前作で到達した、「プログレ」の枠を超えた、ピンク・フロイド『ウォール』ばりのスタイリッシュな「ロック」サウンド。2013年作9thである本作では、スタイリッシュさはそのままに、叙情性を増し、シンフォニック・ロックとして孤高のサウンドを聴かせています。映像喚起的なSEから入り、中欧の森を思わせるアコギのリードが静かに鳴るイントロ。その静寂を打ち破って轟くヘヴィなギターとキーボードによる音の壁とギルモアばりに伸びやかに泣くリード・ギター。そして、何より素晴らしいのがメロディーとヴォーカル。ピンク・フロイドの内省感とネオ・プログレの叙情美とが出会ったような美旋律、そして伸びやかさの中に翳りを感じさせるハイトーンが魅力のヴォーカルは、もう絶品の一言。99年のデビュー作での「空間的な音響センスに溢れたシンフォニック・ロック」を、これまでの作品で培ったテクニックとサウンド・メイキングのセンスにより圧倒的な強度で聴かせた一大傑作。熱くも透徹としたロマンティシズム。これはずばり最高傑作!
ジェネシス系伊シンフォの名バンドとして知られるMOONGARDENのギタリストとキーボーディストによるプロジェクト・バンド、13年作2nd。分厚く荘厳なシンセとピアノソロが連なっていく冒頭部を経た次の瞬間。躍動感いっぱいに弾むリズム・セクションに乗って、伸びやかに尾を引くロングトーンのギター、ひたすら柔らかくファンタスティックに広がるシンセが駆け抜けていくこのアンサンブル!GENESISの名曲「Watcher Of The Skies」を重ねずにはいられない素晴らしい演奏に、思わず胸が震えます。一音一音が凛とした美しさを放つピアノ、繊細な叙情美を添えるフルートもやはりGENESISを想起させる素晴らしいもの。前作にはなかったヴォーカルが加わっているのも特徴で、パッションと深みをあわせ持つ劇的な歌唱を聴かせます。全14曲切れ目なく展開していく演奏に最後まで圧倒される、見事な完成度のシンフォ絵巻。初期GENESISのファンタスティックさ、幻想性、叙情美を理想的に受け継いだ文句なく素晴らしい一枚です。おすすめ!
イタリアのチェンバー・グループYUGENのギタリストによるプロジェクト、13年作。あまりに格調高く静謐に鳴らされるピアノ、甘美なメロトロン、波打つストリングス、彼方から届くヴァイブの音が有機的に結びついていく鳥肌モノのアンサンブル。そこに虚ろで物悲しい表情を持つ女性ヴォーカルが加わると、このバンドならではの底の知れない深みを持った音世界へと吸い込まれていきます。YUGENのメンバーを擁するだけあって、各楽器が前衛的かつ知的な音の掛け合いを聴かせるパートも登場し、チェンバーロックらしいダークさと緊張感がより作品の世界観を広げているのも特筆すべき点。全編にわたり、この世のものとは思えない幽玄なる美を湛えたチェンバー/シンフォニック・ロックの傑作!
英国はヨークシャー在住のマルチ・インストゥルメンタル奏者Andrew Marshallによるプロジェクト。2013年作3rd。きらびやかなアコギやどこまでもクリアに広がっていくようなシンセの音色がひたすら美しいシンフォニック・ロックが印象的。そうかと思うと、タイトなリズムセクションに乗って艶のあるシンセとレトロな音色のオルガンがダイナミック疾走する「動」のパート、哀愁を湛えたフルートや気品高くもどこか陰鬱に響くヴァイオリンが彩る「静」のパートなど、英国らしい端正な音使いのアンサンブルが繰り広げられます。そして、ここぞというところで溢れ出すメロトロンに、わかっていても悶絶。中世英国の気品溢れる世界観を想起させる絶品シンフォニック・ロック。これは傑作です。
イタリアの新鋭ヘヴィ・シンフォ・グループ。ムゼオのヴォーカル在籍で話題になった2010年デビュー作に続く、2013年作2nd。ヴォーカルは交代となりましたが、前任のガリフィに近い声質&声量を持つヴォーカルで文句なし!そして、何といっても往年のイタリアン・ロックを受け継ぐアンサンブル。鋭角かつ厚いトーンのギターがここぞの変拍子で鮮烈なフレーズを聴かせ、時にゆったりとメロディアスなフレーズを奏で、そのバックでは、キーボードが荘厳に鳴り響き、メロトロンが溢れる。前面には出てこないものの、流麗なフレーズを奏でるピアノや艶やかなヴァイオリンがイタリアならではのクラシカルな気品をもたらしています。時に陽光が射すような、ファンタスティックなパートも織り交ぜられ印象的。ムゼオ・ローゼンバッハはもちろん、レ・オルメ『フェローナとソローナの伝説』に通じる荘厳なオルガン・プログレの要素も受け継いだドラマティックなサウンドは、往年のイタリアン・ロックのファンは、歓喜すること間違いなし。これは傑作です。
「太陽と戦慄」期クリムゾンやヘンリー・カウ的な攻撃性を軸に、HF&Nに通ずる繊細さと緻密さ、フランスらしい芸術性や演劇性を融合させたサウンドは、素晴らしき完成度!
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イタリアの新鋭グループですが、ルネッサンス直系の気品を漂わせる逸品。波打つようなピアノを基調とするクラシカルで繊細な演奏と透明感ある凛とした女性ヴォーカルのなんと美しいこと。これは心洗われる名作です。
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