狼から一撃！

R&Bに親しんで、この盤に戻ってくると…すごい（2 拍手）

たすけさん レビューをすべて見る

このCDのレビューを書いた記憶がありますけれど、素晴らしいのでまた書かせてください。彼らのライブには「フルハウス」という優れモノがあります。わたしは聴くのは、もっぱらこちらのほう。彼らに初めて触れた音であることと、すっかりR&Bバンドに変貌を遂げた彼らの悪乗りに近い演奏だからです。特にすごいのが、マジック・ディックのハープとセス・ジャストマンのオルガン、ピアノであります。米国のストーンズと言われることもあります。タイトな演奏では、こちらの勝ちです。

「バック・トゥ・イェ」「シュート・ユア・シャウト」のつかみがまず素晴らしい。体の揺れが止まりません。途中ピーター・ウルフの語りだけで聴かせる曲…というよりアジテーションがあるのです。そう、「ムスタ・ゴッド・ラスト」のさわり。ラップがまだ発明されていない時代に、語りのリズムだけで聴衆を乗せるってとてもすごいこと。ウルフは言い間違いとかしないんでしょうか。マシンガン・トークでエディ・マーフィーとタメを張れると思います。ちなみに日本題の「狼からの」とは、ウルフのことをさしています。

ほとんどの曲には原典があり、ヘタすると場末のバンドという雰囲気になる危険性があるんですよ。往年のヒットを演奏する懐メロバンド…みたいな。Jガイルズ・バンドは、R&Bの名曲を拾い上げることでも一流です。2022.01.12