SILVER PARK

60年代末から活躍する英国ジャズ・ロックのいぶし銀バンド、西ドイツのみでリリースされた78年作、クロスオーヴァーの快作

イギリス南西のブリストルで67年に結成され、ロンドンに出てデッカ・レーベルと契約し、傘下のデラムより69年にデビューしたジャズ・ロック・グループ。サイケやオリエンタルなエッセンスを加えたサウンドが魅力の初期デラム時代、アイリッシュなテイストを加えたサウンドで「Jig A Jig」というヒット曲を生んだ70年代はじめのHARVESTレーベル時代、そして、メンバー・チェンジを繰り返しながら活動を続け、人気があったドイツを中心に活動していた70年代半ば以降の活動後期の78年に制作され、西ドイツのみでリリースされたのが本作。ジェフ・ベックを彷彿させる流麗かつキレ味もあるギター、メロディアスかつグルーヴィーなエレピやムーグなどキーボード、そして、シャープなリズム隊によるクロスオーヴァーなサウンドが特徴。同時期のジェフ・ベック『WIRED』をもうちょっと爽やかでメロウにした印象で、米マッスル・ショールズ産の70年代末の洗練されたサザン・ロック（PETE CARRあたり）も頭に浮かびます。洗練とともに英国的なメロウネスもあるヴォーカル・パートもまた魅力的です。快作！