64360(HED ARZI)
スリップケース付き、2枚組、デジタル・リマスター。
イスラエルのハード・ロック・グループ、JERICHOの前身であるCHURCHILL'Sと、そこから発展したJERICHO JONESの音源を収録した編集盤2枚組。DISC1は、CHURCHILL'Sがリリースした唯一のアルバムと未発表曲6曲で、いかにも60年代後半的なサイケ・ポップからハード・ロックへの移行期を匂わせるサウンド。ただ、アラビア楽器の導入など、イスラエル出身らしい中東的な雰囲気が個性的です。ソングライティング、演奏面でかなり飛躍しており、一層ヘヴィで一層ダイナミックな演奏が楽しめます。ヘヴィな中にも哀愁を感じさせる懐の深いサウンドは、英国ロックファン必聴でしょう。
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ゴラン高原から望む荒れ地の夕焼け(1 拍手)
たすけさん レビューをすべて見る
「お前は悪いおんなだあああ」と絶叫する「ジェリコ」で有名な前身ジェリコ・ジョーンズ、そのまた前身のチャーチルズの編集盤です。世界最強級の重量ギターを聞けるかと思いきや、ファースト作ではたそがれのアルペジオが出だしであります。2-8「マン・イン・ザ・クラウド」で出ました出ました。執拗なギターリフとだみ声絶叫が。イスラエル出身という情報は、わたしらにとって邪魔かも知れません。ロンドンでブルーズ最盛期を過ごした者にしか判らない暗黒さと抒情性がこのバンドの肝です。(わたしはロンドンに行ったことがありません。)
チャーチルズにいたっては、さらに混沌とした音楽性です。チャーリー・ワッツのような単調かつ強引なリズムにのって調子はずれのビート・ポップが歌われます。69年テルアビブ録音です。「リビング・ラビング・メイド」やら「シーズ・ア・ウーマン」までやっているサービスの良さ。途中で重量ファンクに変わるあたり、やはり只者ではありません。
1-11 Straight People からは、ドアーズにイスラエル歌謡が混じってきます。これがゴラン高原から望む荒れ地の夕焼けという雰囲気でなかなかよろしい。(当然行ったことはありません。)ブリーフ姿のメンバー写真には、これはどのような意図の表現なのだろうかと悩んでしまうです。
ちょっと変則なのですが、CD2から遡ってレビューしております。ヘブライ語がわからなくても、英語で歌っているのでご安心ください。