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マックのメンバーがどれだけ彼を好きだったか…(2 拍手)
たすけさん レビューをすべて見る
仕上がりはブート。とてもボブ・ウェルチに売り上げが入っていると思えない録音なのに、誰もブートと言わない不思議なCDです。彼の絶頂期である「フレンチ・キッス」リリース後にマックのメンバーやカーマイン・アピスもゲスト参加しているライブ。ウェルチにはライブの公式録音がありませんから、貴重なものです。なにしろ「ビッグ・タウン2061/ブラック・ブック」を演奏していますし、「ベンド・ミー・シェイプ・ミー」もやっていて、最後は「ラトルスネイク・シェイク」です。ウェルチのユーザーなら指をくわえて見ているわけにまいりません。
「ルーモアズ」以降のマックを一流バンドとすれば、マックをとりあえず二流まで引き上げたのがウェルチの功績です。どろどろのブルーズ・バンドであったマックを洗練させ、売れなかったにせよ、それなりに米国中堅どころのバンドに育て上げました。ウェルチは、マックにのちに「ソフト・アンド・メロウ」と呼ばれるAORテイストを加えました。成功を目前にして、血迷ったとしか思えない硬いハードロックをやるためマックを脱退してしまいます。
このライブは、イベント色が濃くて、どの曲も短め、ウェルチよりゲストの紹介にスポットを当てています。「センティメンタル・レディ」や「エボニー・アイズ」は、もっと長く演奏してもよかったのに…。ウェルチは自分自身をアピールすることが少なく、こうしたやり方しかできない人だったのかも知れません。