VMB006(VINYL MAGIC)
振幅激しい曲構成が魅力のイタリアン・ヘヴィ・シンフォ大名盤。暴力性みなぎるヘヴィ・パートと哀感に満ちた叙情パートが織りなす起伏豊かなドラマティックさがもうたまらない!
MUSEO ROSENBACHやSEMIRAMISと並んでイタリアのへヴィー・シンフォニックロックを代表するグループの74年デビュー作。その内容は、ハード・ロック・サウンドを基本にファズ・ギターとダブル・キーボード編成の音の厚みで盛り上げる作風であり、とにかく緩急をつけたダイナミズムとドラマ性はイタリアン・へヴィー・シンフォニックロック界随一。ブリティッシュ・テイストを志向しているような音楽性を聴かせますが、牧歌性を持った楽曲やメロディーメイクの手法、激しく舞うフルートなどはやはりイタリアン・ロック然とした魅力を放ちます。触れ幅に恵まれたへヴィー・ロックの傑作。
73年作、アヴァンギャルドな知性派イタリアン・ジャズ・ロック名作
弱冠16歳の天才ミケーレ・ザリッロが率いた伊ヘヴィ・シンフォ・バンド、73年リリースの唯一作にして傑作!
【カケレコンピ】ダブル・キーボードで聴かせるプログレの名曲!
カケレコの豊富な新品・中古在庫から、お題にフィットする楽曲でコンピレーション・アルバムを作ってしまおうという、名付けて「カケレコンピレーション」。第1弾は「ダブル・キーボードで聴かせるプログレの名曲」でカケレコンピ!
【ユーロロック周遊日記】イタリアン・ヘヴィ・シンフォの代表的名作BIGLIETTO PER L'INFERNOの74年デビュー作『BIGLIETTO PER L'INFERNO』
一日一枚ユーロロックの名盤をピックアップしてご紹介する「ユーロロック周遊日記」。本日は、OSANNA、MUSEO、SEMIRAMISらと並ぶ70'sイタリアン・ヘヴィ・シンフォの名作BIGLIETTO PER L'INFERNOによる74年デビュー作『BIGLIETTO PER L'INFERNO』をピックアップいたしましょう。
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なぜか東宝映画の匂いがする(8 拍手)
たすけさん レビューをすべて見る
表紙になっている地獄の小鬼野郎を見るたび、わたしはむささび怪獣バランを思い出してしまいます。本編のバランではなく、「怪獣総進撃」に出てきたバランのほう。青木ヶ原で空中に浮き、所在なさげに漂っていたバランです。総進撃に呼び出されたのに、キングギドラと闘うこともなく君は何をしていたのかね。闘わず退却したバランと違い、最初から最後まで勝負し続けるのがビリエット・ペリンフェルノです。彼らはよく、南イタリアのような牧歌的なカンツォーナを聴かせる。でもそれは、次に来る嵐の前触れであり、必ず巨大な音の塊が畳みかけてきます。素晴らしい展開です。
4曲目の「イル・ナバーレ」で東宝青春映画のようなべたな歌い上げとわななくギターが。これが還暦じじいには効きます。エドゥウウ・コザファイイイイと、イタリア語を知らなくとも合唱せざるをえません。しかしこれは続く「ラミーコ・スイシダ」の序章にすぎないのです。まさか地獄の小鬼に自死した友達がいたとは。寂しいんだろうね、そうだね、と同情していると、暴虐のシンセサイザーが唾吐きフルートと襲ってきます。シロップ激甘と激辛唐辛子のサンドイッチ構造がペリンフェルノの強い点であり、途中で針を上げることを許しません。さあ歌いましょう。2022.06.07