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1. Albatross |
2. Memories |
3. Swan Lake |
4. Poptones |
5. Careering |
6. Socialist |
7. Graveyard |
8. The Suit |
9. Bad Baby |
10. No Birds |
11. Chant |
12. Radio 4 |
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肝試し(5 拍手)
たすけさん レビューをすべて見る
今言われるオルタナ系なんて、PILに比べたら全然オルタナティブではありません。「ロックは死んだ」という有名なセリフを吐いたジョン・ライドンが、言っただけの責任をとってやろうとする破滅解体ファンクです。もはやファンクでもないですが。このレコードは、45回転12インチアナログをブリキの缶に入れる、という当時思いつく限り最高の高音質レコードでした。音質にこだわったのは、地響きのようなベースの音を再現するためです。低音を届けるため、より深い溝を刻める12インチシングルの方法論が選ばれました。
曲はメロディさえ剥ぎ取られています。ライドンがクリアに、不穏な歌詞を抑揚つけずに読み上げるだけ。「ポップトーンズ」なんて、殺された被害者がその時の状況をつぶやくだけ。いやが応にも不穏さがつのります。当時の状況が病んでたとしか思えないのは、わが国の一部でこのレコード、熱狂的に受け入れられたのです。それこそ、踊るために。PILはこのレコードや「フラワーズ・オブ・ロマンス」をピークに、音楽を再構成する道を進みます。この過激な方法に、ライドンも耐えられなかったのですね。
しかし、これはもはや音楽とは言えないです。これをさらに突き詰めたのがキャバレー・ボルテールやスロッビング・グリッスル。でも両グループを知る人は、もういないでしょう。一種怖いもの見たさの音です。2022.11.16