76年リリースの唯一作。1曲目でのイエスのあの曲そのまんまなアンサンブルにはちょっと「おいおい」という感じですが、2曲目以降からは独自のサウンドを聴かせていて安心。アコースティック・ギターのリリカルなアルペジオと美しいキーボードな響きが印象的なファンタスティックな佳曲が続きます。全体的には穏やかな曲調ながら、静と動の対比もなかなか見事で、時おり畳み込むようなヘヴィな展開で曲を引き締めています。印象的なメロディをもいたるところで聴かれ、感情をたっぷり込めて歌い上げるヴォーカルもグッド。これぞユーロ・ロックと言える、ちょっぴり危なっかしくも溢れる情熱が伝わってくるような好盤です。
KAPREKAR'S CONSTANT/DEPTH OF FIELD
元VDGGのDavid Jackson(sax/flute)、彼の娘であるシンガーDorie Jackson、11年以降CARAVANでプレイするドラマーMark Walkerらによるバンド、19年2nd
890円(税込979円)
IL TEMPIO DELLE CLESSIDRE/IL TEMPIO DELLE CLESSIDRE
MUSEO ROSENBACHのヴォーカルStefano Galifiがヴォーカルを務める70年代プログレのテイスト濃厚なヘヴィ・シンフォ、2010年デビュー作
1,490円(税込1,639円)
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所々にイエス・フレーズが使われているATLANTIDEの唯一作(1 拍手)
yes_90125さん レビューをすべて見る
朝焼けが燃える1曲目、ハウの演奏を再現したようなギターソロの3曲目、「ラウンド・アバウト」を思わせる始まり方の5曲目など、所々にイエス・フレーズが見え隠れするATLANTIDEの唯一作。
1曲目は、よく本家からクレームが来なかったなと思うくらいそのままのメロディで始まるのだが、一転してアコースティックでファンタジックな曲調に変わり、最後はまた朝焼けが燃える。
全体的に歌物のような穏やかな雰囲気を持ちながらも、露骨なイエス路線でプログレ・バンドの扱いを受けているのかと思ったら、VISITORSとも繋がっているらしい。
緩急が効いている好作品で、それなりに聴き所はあるのだが、やはりオリジナリティに欠けると言わざるを得ない。
突っ込みどころ満載なので、別の楽しみ方はあるのだが・・・。