舩曳将仁の「世界のジャケ写から」 第五十八回 TRILLION 『TRILLION』
コラム「そしてロックで泣け!」が好評だった音楽ライター舩曳将仁氏による、第2弾コラム「世界のジャケ写から」。世界のプログレ作品より魅力的なジャケットを取り上げ、アーティストと作品、楽曲の魅力に迫ってまいります。
「そしてロックで泣け!」第十三回 トリリオンの「ラヴ・ミー・エニイタイム」
世間ではあまり知られていないが、聴いたら思わず涙がホロリ、もしくは嗚咽をあげて泣きむせぶ、そんなロックの隠れた「泣ける名曲」を紹介。お相手は、叙情メロディとネコをこよなく愛する音楽ライターの舩曳将仁。
レビューは登録ユーザーのみ記入できます。
アメリカンプログレハードの名バンド、1st(13 拍手)
waterbearerさん レビューをすべて見る
1978年。Bostonの2ndが大ヒットし、米Epicが次なるBostonを探していた時代。「氷牙」なる日本盤のタイトルでデビュー。和製英語のアメリカンプログレハードなる言葉は今思えば摩訶不思議だが、言いえて妙である。プレイしている本人たちはそんなことを意識してはいない。レゾナンスを利かせたMoogの音となぜか鉄琴が絡む壮大なイントロが印象的なM1が本作収録曲で一番印象的な曲なのがB級ならでは。続くM2も「どこがプログレ?」と言ってしまいそうなアメリカンハードロックである。このアルバムの魅力はどこにあるか?印象的なジャケット、M1、そしてVoのファーギー(本作ではデニス)・フレデリクセンの存在が大きい。残念ながら彼は本作のみで去ってしまうが、なんとTOTOのVoとなる大出世を果たす。長い間CD化されず、やっとなった日本盤もいつの間にか廃盤となってしまった。2010年にやっとこさRock Candyがリマスターを施して再発してくれた。プログレファンというよりも、「あの時代」を楽しむ方にお勧めしたい。