寺山修司率いる演劇集団「天井桟敷」の戯曲で知られる宮崎県出身の気鋭音楽家、J・A・シーザー。本作は、日本青年館で行なわれたソロ・リサイタルの模様を収録した73年作。演歌や童謡、子守唄など、日本の土着感を強く発する怨念めいた狂気が渦巻くヘヴィ・ガレージ・サイケ、はたまたタンジェリン・ドリームを想起させるような壮大で冷ややかなサウンド・スケープ。欧米からの影響を色濃く映したサイケでエレクトロなサウンドと、遠き日本の記憶が走馬灯のように駆け巡り合う、ジャパニーズ・アンダーグラウンド史にその名を刻む傑作。
EL&P(EMERSON LAKE & PALMER)/TRILOGY
壮大な傑作組曲「ENDLESS ENIGMA」、コープランドをアレンジした華やかでキャッチーな「HOEDOWN」、ファンタジックな表題曲などバラエティに富んだサウンドを披露する72年作4th
490円(税込539円)
74年ライヴ作
830円(税込913円)
GSの商業主義から脱却し、英米のサイケ/アート・ロックに影響を受けた「カウンター・カルチャー」のロック・ミュージックを指向した気骨ある若者たちの記録
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日本語バンザイ(0 拍手)
夜明け前の砂男さん レビューをすべて見る
素直に感動しています。
私たちの母語・日本語が、西洋の楽器群を牽引し続けるロックなんて、初めてです。ドラムにも電気ギターにも負けていない日本語の姿。さらに、個性的な和楽器との組み合わせと、物語性豊かな歌詞。ときおり閃光の如くきらめく重厚なリズム。どれをとっても、今まで私が聴いた日本語ロックでは表現できなかった世界です。清・濁併せ持つ、鋭・鈍を兼ねる、動・静を混合する、美・醜の区別を破壊する。日本語バンザイ、と叫びたくなるような一枚です。