SHESHET

砂漠を吹き抜ける地中海からの涼風、イスラエル・ロックの金字塔（27 拍手）

kobakunさん レビューをすべて見る

NO　NAMES、Zingareと並ぶイスラエル・プログレの金字塔。全てのプログレ・ファンにお勧めします。ポップな音をさりげないテクでさらりとやってのけるカッコよさ。イスラエル物に共通する魅力です。

とにかくフルートが素晴らしい！「流麗」という言葉がまさにピッタリなフルートとピアノの響き。これほど美しく、そして気持ちいい音楽はそうはありません。巷間言われているハットフィールドなどを連想して聴くとやや軟弱に聴こえる曲もあるかもしれませんが、さりげないテクニックに裏打ちされた、やさしく、たおやかな感性は通じるものがあります。ただ、本人たちはプログレを意識したことはないでしょうが。それぐらい「さりげないカッコよさ」がここにはあります。

さて目玉は何と言ってもディスク２。私もコレ目当てに買い直しました。実質的な2ndということですが、テイストは同じで、こちらはやや硬派になっています。かなりジャズ・ロックです。これがなぜお蔵入りになったかはわかりませんが、30周年記念でリリースされ、遠い日本でもこうして聴くことができる幸せ。日本は今、不況、不況で自信を無くしていますが、苦難の連続だったユダヤの民の歴史に比べれば、これぐらいのことは長い歴史のスパンで見れば屁みたいなものです。だってどんなに不況でもこの日本で誰も野垂れ死にするわけではないのですから。「平和ボケ」日本の正反対にいる彼らがこんなに自信にあふれた音楽を創造しているのですから、僕らももっと余裕を持ってたのしく生きていこう！そう考えるこの頃です。

イスラエルのハットフィールズ（4 拍手）

柏木公園さん レビューをすべて見る

いわゆるハットフィールズ風のバンドは数多く聞いてきました。アイン・ソフ、ポチョムキン、ムジカ・ウルバナ、コス、コルテックス、マフィンズなどなど。ソフト系ハットフィールズをコルテックス、ハード系をマフィンズとすると、このSHESHETはソフト系に位置しますね。ライナーがヘブライ語なので、読めないのが残念ですが、おそらく影響を受けたのではなく、コーラス、ジャジーな音楽性などが、たまたま似たと、私は感じます。安定した演奏力にイスラエルロックの底力を感じ、更なる大物の発掘を予感させます。

とにかく、心地よし。時代も地域も越えた名盤（1 拍手）

F.Greenさん レビューをすべて見る

フルートとピアノとコーラスが肝ですね。とにかく軽やか。フィフス・ディメンションを極限まで軽やかに、そして長閑にした感じと言えば良いのか。良く聴くと細かいリズムチェンジがあったり、コーラスの重ね方に凝っていたり・・・。ほんま、テクニシャンですね。同じくイスラエルに、FOURTEEN OCTAVESというバンドがいるが、彼らは夜のイメージなのに対し、SHESHETは朝、しかも春の穏やかな朝、いつまでもまどろんでいたい朝を感じさせます。ほとんど、フルートのせいなのでしょう。でも、フルートっていう楽器もおもしろいね。SHESHETでは穏やかなんやけど、イアン・アンダーソンが吹くと、攻撃的になるんやから！