ピンク・フロイドのドラマーのニック・メイスンが、10ccやMike Oldfieldのメンバーとして活躍するギタリストのリック・フェンとコラボした85年作。ヴォーカルとして、デイヴィッド・ギルモアやマギー・ライリーが参加。キング・クリムゾン『ビート』にも通じる、無機的でシンプルながらふくよかで浮遊感のあるドラム、ニューウェイブ色の中に有機的な広がるのあるメランコリックなシンセ。ギルモアが歌う2曲目「Lie For A Lie」など、フロイドに通じるリリシズムもあって、デジタルとアナログがセンスよくバランスした佳曲揃い。さすがの好作品です。
RICHARD WRIGHT(RICK WRIGHT)/WET DREAM
言わずと知れたピンク・フロイドのキーボード奏者、78年のソロデビュー作、フロイドの美しく叙情的な側面のみを抽出したような珠玉の名品
2,550円(税込2,805円)
アルゼンチンのキーボード・プログレ・トリオ、77年録音/83年リリースの2nd、18歳の若きPedro Aznarによる超絶ベースが聴きモノ
3,143円(税込3,457円)
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ピンクフロイド臭、なし!(1 拍手)
マフィンマンさん レビューをすべて見る
ニック・メイスンのもう一つの共作“Fictitious Sports”と同様に「どこにニック・メイスンらしさがあるんだろう」と首を傾げてしまう作品。
どちらもピンクフロイドらしさなどは全くなく、もっと言うと「この人、本当に曲作りに参加しているのだろうか」と疑ってしまうほどです。
でも、そんなことは実はどうでもよくて、この“Profiles”は、いい!
LPで買った1980年代半ば、私は日本最北端の北海道・稚内で働いていたが、本作のいくつかの曲は、宗谷丘陵から眺めた初夏の青いオホーツク海とその向こうのサハリン(ロシアですな)を思い起こさせる。国境に近い海辺の短い夏のイメージなんです。まるで的外れな連想ですが……。
今は亡きリック・ライトのソロ作を初めて聴いた時も思いましたが、ピンクフロイドという巨大バンドの枷(かせ)から自らを解き放ち、個々にもっと自由な作品作りをしてくれていたら面白かったろうな、とつくづく思います。