GOOD TROUBLE

わたしは彼らのイナたさを愛している（0 拍手）

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カバーデザインが「ハイ・インフィデリティ」の裏側なの、わかりますか。目いっぱい禁じられた夜を楽しまれたのであろう部屋に、翌朝メイドさんが入っていいものかどうか思案しております。わたしにはこんな経験ありませんが、チェックアウト時間ぎりぎりまで寝坊してると、ほかの部屋で掃除が始まってしまい、あわてたことはありますね。食い散らかした「ハイ・インフィデリティ」その後の風景であるレコードです。

「キープ・ザ・ファイア・バーニン」をはじめ、見事なコーラス・ハーモニーを聴かせる曲が目立ちます。REOにとって飛ぶ鳥を落とす時期だったので、どの曲を切ってもヒットが狙えそうです。しかしヒット・チャートをにぎわせたレコード、という見方は実につまりません。音楽聖地でもない中西部から出て、叩き上げながら上昇してきたロックンロール・バンドという背景を理解しないと、本当につまらないと思います。それがわかると「エブリ・ナウ・アンド・ゼン」が、大漁唄い込みに聞こえてくるので、あ〜ら不思議。

そう。わたしは彼らのイナたさを愛しているのです。どんなに爽やかに歌ったって、ピークで現れるコブシは隠せません。その意味ではとってもアメリカンなバンドであります。2021.10.15