ポーランド出身、ヴァイオリン奏者を擁する5人組プログレ・バンド。19年にライヴ・アルバムをリリースしており、本作は初のスタジオ・アルバムとなる21年作。AMAROKのリーダーMichał WojtasとMarta Wojtasらがゲスト参加しています。ポーランド西部の都市ヴロツワフにある歴史的建造物が並ぶナドドジェ通りを題材にしたコンセプト・アルバムで、現地で録音した環境音と通りをナビゲートするナレーションを随所に挟みながら展開するユニークな構成が新鮮。クリムゾン的ヘヴィネス、フロイドのメロディアスな浮遊感、ジェスロ・タルに通じる土の臭いのするトラッド色などが曲ごとに漂ってくる、先人を受け継ぎつつ多彩に繰り広げられるサウンドに惹き込まれます。そんな中でも各曲に通底するのは、やはりポーランドのバンドらしいダークかつ凛とした美麗さ。クラシカルに舞う悲哀のヴァイオリンもそんな美麗さを一層引き立てていて見事です。異国の歴史ある街並みが浮かび上がるような映像喚起的魅力を持った逸品。
TRK PROJECT (RYSZARD KRAMARSKI PROJECT)/BOOKS THAT END IN TEARS
ポーランド・シンフォの雄MILLENIUMのkey奏者によるプロジェクト、各曲でオーウェル『1984』/ゴールディング『蠅の王』/カフカ『審判』などを題材にした21年作5th!
2,290円(税込2,519円)
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