GEM13(FLAWED GEMS) 【2010年発売CD】
これぞ元祖ヘン顔ジャケ?果たして後継がいるのかはわかりませんが・・・。しかし侮ることなかれ、ジャケではふざけてますが、中身は豪快なオルガンが炸裂するサイケ・ポップの傑作!
L.A.出身のオルガン/キーボード奏者の68年デビュー作。元来マルチプレイヤーという氏ならではのアイデアの豊富さ&ポップなメロディ・センスをそのままに、本作ではG、B、Org、Dsの四人を伴ったカラフルでアグレッシヴなバンド・サウンドを展開。甘いヴォーカルと表情豊かな鍵盤プレイを基調としたサウンドに時々絡むやけにハードなファズ・ギター。その正体はかの伝説的ソフト・サイケ・デュオ、EUPHORIAのHamilton.W. Watt。氏の奏でる泣きのギターが叙情的なハープシコード&ハモンドに追い打ちを掛ける「Carnival of Life」は名曲。
68年作、ロック、ポップス、ブルース、フォーク、クラシック、前衛音楽、インド音楽、これらすべてを呑み込み、抜群の音楽センスで咀嚼、異なるジャンルがぶつかり合う化学反応をそのままに詰め込んだ、才気みなぎる大傑作。
2,490円(税込2,739円)
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勇気あるオルガン小僧(6 拍手)
たすけさん レビューをすべて見る
お笑いカバーにだまされてはいけません。可愛らしい外見にかかわらず、ヘビーロック好きを十分満足させてくれるのが、オルガン奏者のリー・マイケルズです。ギターはひたすら歪み、リズムは重く、オルガンはうなりまくります。サイケなのかどうかもわからない暴虐ぶりです。この盤はバンド形態をとっていて、ベース奏者も配置されています。しかし別なライブでは、ドラムズ以外は全部オルガンでやってしまうという荒業をこなしていたようです。
しかもリー・マイケルズの声は甘く、魅力的です。このボーカルがあるので、ヘビーなのに、軽く感じてしまう。わたしの好きでないコーラスで声をぼかさないのもよいところです。これだけ素晴らしい才能を聞かせていたのに、70年代中期で彼は引退してしまったようです。
ドラムズは常にソロ、おかず状態ですし、ギターは時折ありえないほどひずんでいます。初めて聴いても聴ききってしまう磁力があると思います。2022.05.07