WSCD9009(WHITE STAR) 【2019年発売CD】
デジパック仕様。
カナダのSAGAあたりを彷彿させるキャッチーなプログレ・ハードに、英国らしい幻想性を合わせたようなスタイルが個性的。奇才John Mitchellプロデュースの注目作☆
94〜01年に4枚のスタジオ・アルバムを発表した英プログレ・バンドGARY LADY DOWN。そのヴォーカルとギタリストを中心に2010年に結成したバンド、プロデューサーにFROST*やIT BITESのJohn Mitchellを迎えた19年3rdアルバム。メンバーにはNINE SKIESなどでもプレイするヴァイオリニストEric Bouilletteも参加します。熱く歌いこむ存在感あるヴォーカルを中心とするまるでカナダのSAGAみたいにキャッチーなプログレ・ハードを主軸に、英国らしいリリカルで陰影ある幻想感も聴かせる、親しみやすさに富んだメロディアスな作風が持ち味。英国的なパートはS.ロザリーっぽいデリケートで上品に紡ぐギタープレイも相まって、近年のマリリオンも彷彿させるドラマチックさが印象的です。往年のポンプ・ロック色もありますが、もっと地に足の着いた「ロックっぽさ」が強く出たサウンドと言えるでしょう。ARENAあたりのファンにも届きそうな音です。秀作!
TEMPUS FUGIT/DAWN AFTER THE STORM
ブラジル新鋭、ギターとキーボードがメロディアスかつ精緻なアンサンブルを織り上げる、清涼感溢れるシンフォ名作、99年リリース2nd
990円(税込1,089円)
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ジャケットの印象に惑わされないで(0 拍手)
夜明け前の砂男さん レビューをすべて見る
何ロックと呼ぶのかわかりませんが、今後の可能性という点では、絶対注目度100%のバンドと言ってよいと思います。
まず、10曲で60分を超える演奏時間が、何より彼らのヤル気を表していますね。フェイドアウトで終わるのが1曲もない、というのも珍しいと感じます。
1〜5は、勢いを感じさせる前半部。6〜10は、リズム以上に表現力を重視しています。ドラマチックな6曲目から、前半に戻ったかと感じさせる7曲目へと移るその合間の緊張感それ自体、ひとつの表現と言えます。
そして、彼らの今後に期待させるのは、8〜10曲目、とりわけ、最後を飾る「BLOODSTREEM」でしょう。最後の最後に問題提起を残す、という構成は、スーパートランプ『クライム・オブ・センチュリー』や、ジェネシス『フォックストロット』などを思わせます。長くなりましたが、とにかく超おススメ!