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サックス、ギター、ベース、ドラムズ(3 拍手)
たすけさん レビューをすべて見る
ジャック・ブルースが主に弾いているのが、ダブルベース。フュージョンではなく「ジャズ」のレコードです。リードはディック・ヘクトールのサックスとジョン・マクラフリンのギター。しかしブルースもハイズマンも大人しくバッキングしているわけではなく、出だしのモチーフのほかはアドリブ合戦です。わたしはこのレコードを、ジャズどころかロックもよく知らない年齢で買ったので、頭の中が????で一杯になりました。ポリドールがクリームのシリーズを1,500円で出したときがあり、発売日にレコード店に駆け付けたら、これしか残っていなかったのです。
マイルスの「ビッチズ・ブリュー」の翌年なので、「早い」んだろうと思います。アンサンブルよりバトル。リフレインもなく、小節さえあまり決まっていない曲たちなので、曲を覚えるというより、瞬間のスリルを楽しむ聴き方になります。「ビッチズ・ブリュー」に参加したマクラフリンは、渡米滞在するお金がなく、ブルースからギャラを貰って渡米できたという話があります。ブルースは、マクラフリンを助けるために自腹でこのレコードを制作したわけで、クリームで大儲けした成果がこのソロ作です。
演奏はものすごい。ディック・ヘクトールは時折アルトとテナーのダブル吹きになり、どうやっているんだと思います。ブルースのベースも、弓弾きまで出てきます。ただ、ジャズ入り口としてこれを選ばないほうがいいと思いますよ。2023.03.08