イタリア出身のプログレ・バンドによる89年作。冒頭のNWOBHMかと思う歪んだギターがスピーディーに駆け抜ける展開にいささか面食らいますが、次の瞬間にはメランコリックなアコギとともにダークな女性ヴォーカルが現れ、プログレらしい展開へと着地します。その後はアコギを主体としてゴシックかつシンフォニックなアンサンブルを展開。イタリアらしさはさほど感じられないものの、女性ヴォーカルの時に陰鬱に、時にオペラチックに歌い上げる歌唱はなかなかの聴きものです。一曲目は何だったんだ?という感じはありますが、荘厳さと力強さがバランスしたバンド独自の世界観が貫かれた聴き応えのある力作に仕上がっています。
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