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ルー・リードとジョン・ケールが並んでいるだけでも価値がある(2 拍手)
たすけさん レビューをすべて見る
カケレコさんの画像でははっきり映っていますが、CDのデザインは、アンディ・ウォーホルがうっすら浮かび上がってくる仕掛になっています。ウォーホルが二人の師匠だったかと言えば、ベルベット解散時にはとてもそう言えなかったでしょう。ルー・リードは、ベルベット・ファーストのウォーホルのロゴが苦痛だったと語っていました。重かったでしょうね。現代アートのオリジネーターの影は。
ドラムズ、ベースが入っていないのに途中まで気がつきません。ドラムズの代わりにケイルがピアノを打楽器のように弾いています。
わたしはベルベットこそ聴くものの、アンディ・ウォーホルという人がどんな人だったのか良くわかりません。このデュオ・アルバムではフィクションと銘打ってありますけれど、どう考えてもこれはウォーホルをめぐる様々なエピソードです。曲を書けていないリードに、ウォーホルが「何曲書いたんだい」と問いかけ、リードが見栄を張って10曲と答えると、「もっと働きなさい。15曲書きなさい。」と言われたとか。リードに「結婚式に呼んでくれなかったじゃないか。」と手紙を書いたとか。二人をアーティストに導いたのがウォーホルの大きな仕事だったんだという認識に変わりました。
追悼集らしく、故人をリスペクトする優しい内容のアルバムです。ベルベット・アンダーグラウンドの「新作」と考えると、うれしくなってきませんか。