SALUD A LA TIERRA - EN VIVO DESDE MEXICO

フランスのスティック奏者Pascal Gutmanをリーダーとするジャズ・ロック・トリオ、16年ライヴ作、スティックを使いこなした幅広いプレイが楽しめる好ライヴ盤

フランス出身のチャップマン・スティック奏者Pascal Gutmanが、CASTに在籍した管楽器奏者とLUZ DE RIADAで活躍するドラマーというメキシコ出身の2人と結成したトリオ編成ジャズ・ロック・バンドの16年ライヴ作。スティック独特のアタックを伴わない地を這うようなベースと音数多くタイトなドラムがリズムを形成する一方で、ウインドシンセと思われる電子管楽器によるオリエンタルなフレージングにギターばりの高音でユニゾンを決める、ベースとギターの役割を兼ねたようなスティックならではのスタイルを活かす、シャープでキレのあるアンサンブルが魅力です。管楽器奏者は情緒豊かなサックス、リリシズムたっぷりのフルートも見事で、ギターアルペジオ風のスティックのプレイと相まって、芳醇な地中海の潮風が漂ってきます。ややアヴァンギャルドな展開を挟みつつ展開していく起伏ある曲構成も素晴らしい。使いこなせるミュージシャンは数えるほどと言われるスティックですが、その中でもかなりの使い手であることがうかがえる名演が収められたライヴ・アルバムです。