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HONTZ GAUA

HAIZEA

KD10105/LV006(ELKAR

評価:50 1件のレビュー

幽玄なフルートやチェロ、虚ろな女性ヴォーカル、エキゾチックなパーカッション。でも、混沌とすることはなくて、もうそれはそれは美しいんですよね。これぞバスキッシュ・プログレ・フォーク。

スペイン、バスク産プログレッシヴ・フォーク76年作2nd、幽玄の美しさを湛えた名作

スペインはバスク地方出身のプログレッシヴ・フォーク・グループ、76年作の2ndアルバム。前作と比較すると、エレクトリック・ギターの使用度が増した上、フルート、チェロ、パーカッションもより一層の幽玄美を奏でており、サイケデリックな要素が前面に出た作風を聴かせます。しかしサイケ特有のドロドロとした混沌は感じさせず、ある種の崇高さすら湛えた神秘的なサウンドが鮮烈な印象として残るのが特徴。14分を超えるタイトルトラックを筆頭に、ユーロ・フォークの枠には納まらないプログレッシヴな感性が光る傑作。

HAIZEAって?

HAIZEAは、スペインはバスク自治州出身の5人組プログレッシヴ・フォーク・グループ。バンド名は、バスク語で「風」という意味だそうです。

75年に1st『HAIZEA』、76年作の2nd『HONTZ GAUA』という2枚の好作品を残したグループです。

このバンドについて特筆すべきなのが、バスク・プログレらしい郷愁を誘う純朴なフォーク・タッチを基調としながらも、そこにエレキギターやパーカッションを始めとするエキゾチックかつサイケデリックな幻想性を持ち込んだ独自のサウンド、そしてどこか虚ろな質感を持った美声でそのエキゾチズムをさらに際立たせる女性ヴォーカリストAMAIA ZUBIRIAの存在。

ご紹介する2ndは、オープニングナンバーこそその純朴なフォークタッチで聴き手を温かく包み込んでくれますが、次第にその温かみはある種の狂気すら孕んだひんやりとした宵闇に取って代わられ、吸い込まれるようなヴォーカルの魅力とともに、ジャケットイラストそのままの幻想世界が広がっていきます。

バスクってどこ?

スペイン北部からフランス南西部にまたがって広がるバスク地方。

現在スペイン領側は自治州となっており、バスク人が住みバスク語が話されバスク独自の文化が根付く、文化的/民族的に特別なエリアとして知られます。

1939年以降フランコ独裁政権下におけるバスク語の禁止やバスク国旗掲揚の禁止など40年近くに及ぶ抑圧政策を受けた暗い歴史を持ちますが、フランコ死去による独裁体制の崩壊、そして「スペイン1978年憲法」の制定により強い自治権が認められたバスク州は以降文化の復興を進め、それに前後してバスク語によるロック・ミュージックも次々と登場するようになっていきました。

『HONTZ GAUA』の魅力

では本作より、そんなHAIZEAの魅力が集約されたこちらのナンバーをお聴きください♪

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パーカッション、シロフォン、フルートなどが織りなす、寄せては返す波のような幻想美に、虚ろに響くAMAIAのバスク語ヴォーカル。そこにサイケなトーンではあるものの、決してバリバリと弾きまくらない刹那的な美を感じさせるギターが、音を丹念に選びながら色彩を与えてきます。

このサイケデリックなまどろみ感と宗教的な荘厳さとが融合したような世界観は、ドイツのPOPOL VUHに近いサウンドと言えるかもしれません。
まるで夜の深々とした闇の中に一人佇むときの不安感を音にしたような作品世界が、かえって抗いがたい魅力をもって響いてくるバスク・プログレ屈指の名盤ですね。

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評価:5 バスク産プログレ異形の一枚(8 拍手)

Durangoさん レビューをすべて見る

冒頭から何やら妙に明るい響きを持つフォークが流れてきたので若干拍子抜けしたのですが、そこに虚ろな表情を持つ女性ヴォーカルが乗ると、途端にどこか不穏な空気をまとい始めます。これは一筋縄ではいかんかも・・と思っていると、案の定2曲目以降はヴォーカルがメインに据えられ、演奏もどんどん不気味になっていく。3曲目などはPopol Vuh の Hosianna Mantra が土着性を帯びたかのような異様な音世界が繰り広げられています。そしたらお次はitoizか?と思うようなせわしないドタバタアンサンブル。???どういうこっちゃ?
そして問題の最終曲、不穏さと緊張感は最高潮に達し、狂気がついに発露します。普段は癒しを提供してくれるはずのフルートも、ここでは不安を掻き立てる一要素として機能しており、14分中、心休まる場面は一度たりともありません。
夜中にヘッドホンなどで聴いていると、「向こう側」に落っこちて戻ってこれなくなりそうなコワさがあります。なんかヤバいぞこれ。無事再生が終わるとホッとしますが、またあの気味悪い感覚を求めて夜な夜なヘッドホンをはめる・・。そんな中毒性の高い作品です。バスク産というだけで飛びついたけど、ちょっとこれはスゴイ代物かもしれん・・。

ナイスレビューですね!