SWEET STAVIN CHAIN

フィラデルフィアの大所帯ブルース・ロック/ブラス・ロック・グループの70年唯一作。ホワイト・ブルースの隠れた名盤！

70年あたりのホーンありの大所帯ロック・バンドというとやはりブラッド・スウェット・アンド・ティアーズが頭に浮かびますが、こちらのバンドのほうがブルース・テイストが濃厚。ブラス・ロックをやっているというより自前のホーン隊を持つブルース・ロック・バンドといったほうがしっくりきます。トラック1とトラック8は単なるイントロとアウトロで、純粋なオリジナルはトラック3の1曲のみ。それ以外はすべてカバーで、そのほとんどがR&Bかブルースの名曲ばかり。オーティス・レディングの「Are You Lonely For Me Baby」に始まり、ラリー・ウィリアムズの「I Need Love」、ソニー・トンプソンのというよりフレディ・キングの「I'm Tore Down」そしてTボーン・ウォーカーの「Stormy Monday Blues」と、ホーンを豪勢にフィーチャーしたブルース・ナンバーが続きます。「Stormy Monday Blues」ではR&B/ブルース界での名サックス・プレイヤーのキング・カーティスがテナー・サックスで参加し、ヴォーカリストのJOHN BUSSELLの十分ねばりけと湿気と黒さのあるヴォーカルと、泣きまくりのDANNY STROBINのブルース・ギターとからみあい、本作をホワイト・ブルースの隠れた名盤と呼ばせるに足る十分なプレイを聴かせてくれます。ちなみにトラック7「Teddy Bear's Picnic」は昔からあるアメリカのキッズ・ソングのカバー。湿り気のあるホワイト・ブルースをお求めの方におすすめです。