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ルーツであるケルトと向き合った(1 拍手)
たすけさん レビューをすべて見る
ソーラスとはゲール語で「光」の意味とか。陰鬱な調子で始まる1.Solas を聴いて、「ニュー・ホライズン」のようなアルバムかと思いました。ところが聴き進むうち、ついに彼らにも転換点が訪れたことがわかります。直線的だったビートは影をひそめ、アコースティックな曲調や明るいボーカルが目立ちます。セッションを重ねて一発で録音していたであろう今までの作風とはかなり違います。ブルーズも出てきません。ケルトのルーツに立ち返ったアルバムなのです。
彼らのインタビューを読むと、どうもこのアルバム制作の前にメンバー個人的にもいろいろあったようなのです。デビュー期から、わたしは彼らのハードネスを破壊衝動とは見ていませんでした。クラシック・ロックに対する信頼感が彼らの根源で、自分たちのルーツに忠実な人たちだったことが、この新作でも明らかです。そして彼らのアイドルがロリー・ギャラガーだったことがインタビューでわかりました。音の感触はツェッペリンから、フリーやガヴァメント・ミュールに近いものになっています。
メタルやハードコアのユーザーには意味不明な作になるでしょう。でもわたしはこれでよかったと思っています。今まででニーソンが最も歌っている作になります。また隙間の多いベースやドラムズがとても心地よいです。