LA PETITE FENETRE

初期マグマの重要人物Laurent Thibaultの奥方にとしても知られる才女、幻の3rdアルバム用音源の発掘盤、深遠かつ幻想的なフレンチ・プログレの隠れた逸品

ローラン・チボーの奥方であり、ピンク・フロイド『雲の影』、エルトン・ジョン『黄昏のレンガ路』なども録音された名スタジオ「Chateau d'Herouville」にてミュージシャン/エンジニア/コンポーザーとして活躍した才女。フレンチ・プログレの隠れた名作として高く評価されている74年作『GALAXIES』、76年作『EVENING COLOURS』に続く3枚目の作品として、スタジオ仕事の合間に録音されながら、お蔵入りとなった幻の音源をまとめたアーカイヴ盤。まるで時の経過の彼方で鳴らされるような幻想的かつ深遠なキーボード、静謐な爪弾きからパーカッシヴなカッティングまで音空間の奥行きを広げるアコギ、時にリリシズムを、時にエキゾチズムを加えるフルート。イマジネーション豊かなアンサンブルがとめどなく溢れます。とても未発表とは思えないクオリティ。個人的に聴いていて浮かんだキーワードは、「ブリジット・セント・ジョン meets ロバート・ワイアット」。インスト作品なので、英フォークSSWのブリジットを引き合いに出すのはおかしいですが、彼女の作品のバックに流れる静謐さや深遠さに通じるものがあると感じました。北欧フィンランドのウィグワムにも雰囲気が似てるかも。とにかく素晴らしすぎる一枚。おすすめです。